我々は、シングルセルRNA-seq解析によって心不全発症において心筋細胞が代償型・不全型に分岐することを明らかにし、不全心筋細胞の誘導の際にはDNA損傷・p53シグナルの活性化が重要であることを見出した。続いて、シングルセルデータから細胞間相互作用を抽出し、心臓線維芽細胞から心筋細胞へと誘導されるTGF-betaシグナルが心筋細胞の老化を誘導していることを解明した。また心筋梗塞後の心臓を空間的トランスクリプトームとシングルセルRNA-seqで統合的に解析し、心筋梗塞境界部で活性化するメカノセンシング遺伝子陽性心筋を同定し、それが心臓リモデリングを代償的に制御していることを見出した。
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