研究課題/領域番号 |
19H03651
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂東 泰子 (暮石泰子) 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60452190)
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研究分担者 |
林 良敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80420363)
清野 祐介 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (80534833)
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 心不全 / グルカゴン / 交感神経 |
研究成果の概要 |
我々は、グルカゴン欠損マウス(Gcg-null)を解析し、Gcg欠損が心臓収縮機能不全・心肥大・高血圧の原因となることを明らかとしたが、この原因は、副腎由来責任分子 Xが、内因性Gcgにより通常は抑制制御をうけているものの、Gcgが欠損すると、Xの発現が病的亢進し、その結果副腎髄質細胞の分泌型への分化が促進されるためであることを発見した。心不全のみならず、Adrの異常上昇の関連病態である重症低血糖においてもまた、Gcg欠損はAdrの異常上昇をおこし、このAdr上昇はGcg補充により正常化し、同時に重症低血糖関連死亡率を70%から20%に著明に低減できることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
循環器 糖尿病
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内因性のGcgは、過剰な交感神経活性状態に対する生体防御反応であり、Gcgが生来低下あるいは長期間のストレスにより枯渇が生じた場合、心事故が起きやすくなる。我々の研究成果は、健常者の心血管事故(突然死)の予防においても有用である可能性が期待できる。更なる例としては、より安全な糖尿病治療薬の開発への期待である。昨今、新たな糖尿病治療薬としてGcg抑制型糖尿病治療薬の開発が進んでいるが、我々の知見と同様、Gcg機能抑制により高血圧など循環器系副作用が生じることが報告されており、糖尿病治療薬開発においても、本研究成果は配慮すべきエビデンスを示唆する応用性・創造性の高い研究成果であることが期待される。
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