研究課題
我々の研究においてはcAMPシグナルの下流因子であるEpacによる心筋細胞内における各種ストレス、とりわけ酸化ストレスの影響を検討するとともに、加齢モデルやストレスモデルにおいて、Epacを制御することによるROS産生、心機能変化の分子メカニズムの解明に加えて細胞死に及ぼす効果検討をおこなった。炎症シグナルとの交流では、EP4過大発現モデルを使用し、プロスタグランジンによる炎症シグナルが心血管細胞の生存性と病態生理にどのような役割を果たすのかを検討した。カテコラミン誘発性のROS産生やカルシウムリークにも、Epacが重要と考え、これが生存性(長寿性)にも役割を果たすと、先行研究結果から予測している。AC5を心臓選択的に過大発現させたモデル(AC5TG)においては、各種心臓ストレスによる心機能低下の増悪がみられており、我々はこの増悪ストレスが、Epac欠損によって不活化できると考えておりAC5TG/EpacKOマウスモデルによる検討による解明を進めた。Epacの選択的阻害剤を用いた動物実験において、心臓におけるEpac機能と、血管系を個別に検討した。またプロスタグランジンによる炎症シグナルの影響を検討するため、心血管系に特異的にEP4を過大発現させたモデルを活用した。我々の研究結果から、酸化ストレスやカルシウムリークが、心筋細胞の恒常性に大きな影響を与えることが実証された。さらにEpac阻害剤を用いた薬理学的な効果検討と、遺伝子操作によるEpac欠損動物における効果を比較したところ、薬理学的なEpac阻害と、遺伝子的なEpac機能効果には類似性が高いことがわかり、我々の仮説の検証ができたと考えている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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