心筋細胞の分裂増殖が停止する機構として心筋細胞特異的なDNA損傷応答機構が存在するのではないかと考え、遺伝子工学を駆使して心筋細胞と非心筋細胞にDNA損傷を再現性・制御性高く加えるシステムの開発を目指したが、十分に再現性の高いシステムを開発することはできなかった。一方、研究計画の過程で観察された現象から、SWI/SNF複合体がATPaseサブユニット特異的に心筋細胞の分裂増殖を逆方向に制御することを見出した。クロマチンリモデリング因子ATPaseサブユニット特異的な制御機構を明らかにしていくことで、心筋細胞が生後細胞周期を停止する仕組みも明らかになると期待される。
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