研究課題
令和3年度は、B)ラットモデルで肺動脈病変部へ動員された非Lung-EPCsの由来解明、および、C)新たな治療法開発への応用展開 、を目ざした。肺動脈病変部へ動員された細胞の由来を明らかにするため、および骨髄細胞のトラッキングのため、以下の実験を試みた。ア:オスSprague-Dawley(SD)ラットにオスGFP発現SDラットの片肺を移植する。イ:アの逆の肺移植をおこなう。ウ:オスSDラットにオスGFP発現SDラットの骨髄を移植する。エ:オスGFP発現SDラットにオスSDラットの骨髄および片肺を移植する。上記ア、ウ、エにあるような肺および骨髄移植実験をおこない、肺動脈病変部へ動員されたGFP陽性細胞の病理学的確認を試みた。しかし、GFPラットの肺移植は、GFPマウス同様、遺伝子改変個体のため、手術の侵襲に耐えられず、wildラットのようには肺移植が成功しなかった。しかし、これら骨髄移植キメララットにSU5416/低酸素処理を行いPAHを誘発したところ、明らかにwildラットに比し肺高血圧症の程度も肺動脈リモデリングも軽症であった。また、軽症だがキメララットもPHを誘発し、肺動脈リモデリング部位にGFP陽性細胞が動員されることを確認した。さらに野生型ラットを用いた骨髄移植実験でも、SU5416/低酸素処理による重度肺高血圧症は抑制された。以上より、アポトーシス抵抗性や高増殖能、特殊な代謝プロファイルを有する肺動脈病変部非Lung-EPCsは、実際骨髄由来細胞である可能性が強く示唆された。さらに、骨髄移植により骨髄機能を落とすことで重症肺高血圧症が抑制されたため、動員された骨髄細胞がモノクローナルに増殖している可能性より、同細胞の動員・集積過剰がその病態進行に関与する可能性が示唆された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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