分子標的薬に曝露されたがん細胞は,一部が抵抗性細胞として生存し後に増殖を可能にする耐性因子を獲得して耐性腫瘍を形成する。本研究では、AXL低発現のEGFR変異肺がん細胞は転写因子FOXA1の発現が上昇しIGF-1Rを活性化させ、EGFR阻害薬オシメルチニブ抵抗性を惹起することを見出した。また、TP53変異やSTAT3の活性化はALK阻害薬に対するアポトーシス抵抗性を惹起し、ALK融合遺伝子陽性肺がんのALK阻害薬抵抗性の原因になること、プロテアソーム阻害薬やSTAT3阻害薬併用によりALK阻害薬の治療効果を増強しうることを明らかにした。
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