研究課題/領域番号 |
19H03671
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
副島 研造 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30236145)
|
研究分担者 |
浜本 純子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40570239)
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70365261)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 肺癌 / オルガノイド / EGFR遺伝子変異 / KRAS遺伝子変異 / multiomics解析 |
研究実績の概要 |
これまでLC-SCRUM Japanにおける数千例の非小細胞肺癌患者の遺伝子情報をもとに、稀な変異を有する遺伝子をBa/F3細胞に導入することにより得られた種々の薬剤に対する感受性および臨床情報を集積し、EGFRに関する稀な遺伝子変異の割合は5.5%であること、特にexon 20挿入遺伝子変異は稀なEGFR遺伝子変異の約半分を占めることを明らかにしてきた。また種々のEGFR exon 20挿入遺伝子変異に関する薬剤感受性の検討において、in vitroで求めたIC50とスーパーコンピューターを用いたin silicoでの感受性予測システムにより求めた薬剤感受性の間には極めて高い相関性があることを明らかにし、in silicoでの薬剤感受性予測の実現可能性を示した。さらにEGFR exon 20挿入遺伝子変異を有する非小細胞肺癌患者に対して、AZD9291を用いた多施設共同医師主導治験を実施し、総括報告書の作成および論文による報告を行った。 一方、肺癌患者の手術検体、気管支鏡生検検体、胸水や血液検体から肺腺癌、肺扁平上皮癌、肺小細胞癌、肺大細胞内分泌癌からなる数多くの肺癌オルガノイドの樹立に成功し、40株以上について包括的なWGS/WES、RNA-seq、ATAC-seq、Methylation microarrayによるmultiomics解析を実施し、さらにniche依存性について検討を行った。その結果、肺腺癌においてはEGFR遺伝子変異あるいはKRAS遺伝子変異に伴いWnt依存性が変化すること、さらにWnt依存性の変化はNKX2-1に規定されることを明らかにし、論文報告を行った。これらの成果は、特に難治性のKRAS変異を伴う肺腺癌において新たな治療標的の存在を示唆するものであり、今後新たな臨床研究を計画するための礎になり得る成果であり、極めて重要な知見が得られた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|