研究課題
基盤研究(B)
CKDにおけるUremic conditionにおいて、AMPKを中心としたエネルギー恒常性維持機構が、腎臓を含む全身臓器でどのように破綻しているかを解明した。我々はAMPKγサブユニットのAMP感知が生理的に制御されていること、さらにそれがキナーゼXによるAMPKγリン酸化によるものであることをはじめて発見した.またCKDにおけるキナーゼX発現の低下は,AMPKのAMP感知不全を引き起こし,これが更なるエネルギー不全状態を生み,CKD増悪の悪循環に繋がることを見出した.
腎臓内科
今回我々が発見したAMPKのAMP感知不全の分子メカニズムは、CKDにおけるエネルギー恒常性破綻の一端を解明したものであり、これを慢性腎臓病の新しい治療標的にすることにより、腎臓自身の予後を改善するとともに、臓器連関も改善し、心血管病やサルコペニアなど、慢性腎臓病の合併症の治療にも結びつくと考えられた。透析をはじめとした慢性腎臓病の患者数を減らし、さらには医療費削減にもつながる研究と考えられる意義深いものであった。