研究分担者 |
後藤 眞 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00463969)
若杉 三奈子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (10584782)
忰田 亮平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20737697)
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
新藏 礼子 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (50362471)
山本 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70444156)
金子 佳賢 新潟大学, 医歯学系, 講師 (80444157)
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研究実績の概要 |
IgA腎症(IgAN)における粘膜免疫異常の詳細は明らかでない。IgAN患者の扁桃では嫌気性菌に対するIgA反応の亢進が報告されている。私共は扁桃組織のIgAメタゲノム解析を行い、IgAN患者の扁桃IgA結合細菌の特徴を明らかにする目的で本研究を進めた。IgAN患者および習慣性扁桃炎(RT)患者の摘出扁桃から細菌培養を行い細菌株を単離後、ゲノムDNAを抽出し、ドラフト配列を決定した。また、IgAN患者およびRT患者それぞれ5名の摘出扁桃を用いてFACSでIgA陽性分画を回収し、ゲノムDNAを抽出後、メタゲノムシークエンスを行った。細菌ゲノムのドラフト配列をリファレンスとして、扁桃IgAメタゲノムの非ヒト配列(IgA結合細菌ゲノム)をマッピングし、各遺伝子のカバレッジを算出した。2群間で有意に変動する遺伝子を抽出した。結果、摘出扁桃組織の細菌培養から14細菌株(Prevotella属 8株, Fusobacterium属 5株, Porphyromonas属 1株)を単離した。扁桃組織のIgA陽性分画のメタゲノムシークエンスでは、非ヒト配列の割合は4.3-31.1%であった。マッピング後の各遺伝子のカバレッジは、Prevotella属に多く、22遺伝子が統計学的に有意であった。IgANでは外膜受容体を含む6遺伝子が有意に多く、これらは Prevotella denticola と高い相同性を示した。以上より、IgAN患者の扁桃では歯周病菌群に対するIgA反応が亢進している可能性が示唆された(論文準備中)。現在さらにTリンパ球のレパトワ解析、single cell RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析などを組み合わせて、IgA腎症の発症における粘膜免疫異常の解明を進めている。 また高齢者に多いポリファーマシーとCKDの関連、それらと脆弱性骨折の関連を明らかにし、報告した。腎不全患者における転倒リスクと運動能力、特にバランス維持機能の関連を調査し、報告した。
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