研究課題/領域番号 |
19H03677
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
森 建文 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40375001)
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研究分担者 |
廣瀬 卓男 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (20599302)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腎うっ血 / 腎循環 / 線維化 / 周皮細胞 / 酸化ストレス / 形質転換 |
研究実績の概要 |
腎うっ血は直血管や尿細管周囲毛細血管のうっ滞による血管内圧上昇と腎髄質血流の低下による低酸素による周皮細胞(ペリサイト)-筋線維芽細胞転換により腎線維化が進行するという仮説を検証するため、①ラットうっ血モデルを用いた、慢性腎うっ血の生理学的機序の解明、②ペリサイトライブイメージングによる細胞内酸化ストレス発生機序の解明、③腎うっ血における筋線維芽細胞を介した腎間質線維化の証明、④ノックアウトマウスおよびsiRNA投与による腎うっ血モデルの作成のそれぞれのテーマを開始した。ラットうっ血モデルを用いた動物実験では、マイクロスフェアとマイクロCTを用いた腎静脈径と腎髄質血流の変化のin vitro解析により、うっ血した腎臓では直細血管が拡張している所見が得られた。In vivoで本結果を解析するため、マイクロCTに加え、Microdialysisプローブやレーザードップラーを用いた解析の条件検討を開始した。ペリサイトライブイメージングでは、マイクロダイセクション法により腎臓から直血管を単離する条件や単離した直血管の培養方法の条件を検討し、至適条件を確立した。PDGFR経路を抑制するため、ラットうっ血モデルにPDGFRB阻害剤であるイマチニブの投与を行った。イマチニブ投与により、うっ血腎の重量低下が確認されたため、qPCR、ウエスタンブロット等の分子生物学的手法や電子顕微鏡等を用いて腎間質線維化の抑制機序の解明を開始した。加えて、iGONAD法によるPDGFRBノックアウトマウス作製のための条件検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、腎うっ血に伴う腎内分子メカニズムと治療戦略を解明するため、①ラットうっ血モデルを用いた、慢性腎うっ血の生理学的機序の解明、②ペリサイトライブイメージングによる細胞内酸化ストレス発生機序の解明、③腎うっ血における筋線維芽細胞を介した腎間質線維化の証明、④ノックアウトマウスおよびsiRNA投与による腎うっ血モデルの作成を行うことを計画している。研究実績概要に記載した通り、それぞれのテーマについて概ね当初の計画通り実験が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画は順調に推移しており、次年度もこのまま研究計画に従い本研究課題を遂行する。現時点では研究計画の変更はなく、研究を遂行する上での問題点も見当たらない。
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