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2021 年度 実績報告書

妊娠における表皮幹細胞の運命制御と生殖における役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19H03681
研究機関京都大学

研究代表者

豊島 文子  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (40397576)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード皮膚 / 妊娠 / 表皮幹細胞 / 血管
研究実績の概要

皮膚は、体型変化に伴い表面積を変化させるが、それを担う表皮幹細胞の制御機構は不明である。我々は、急速に拡張する妊娠マウスの腹部皮膚において、表皮幹細胞を由来とする増殖性の高いTbx3陽性の基底細胞を同定した。Tbx3+基底細胞は周囲の細胞にADAM8の発現を誘導し、EGF-EGFR-ERKシグナルを活性化することで表皮増殖クラスターを形成することが分かった。また、真皮では血管新生が誘導され、血管に依存してTbx3+基底細胞と表皮増殖クラスターが出現することが明らかとなった。この血管依存的なTbx3+基底細胞の出現・維持機構は、張力負荷による皮膚伸展時や創傷治癒時にも機能すること、また、新陳代謝の高い足底部皮膚では体表血管が発達しており、Tbx3+基底細胞と表皮増殖クラスターが恒常的に機能していることが分った。
本年度は、Tbx3+基底細胞から分泌される表皮増殖クラスター誘導因子について解析を行った。野生型と表皮特異的Tbx3cKOマウスの妊娠期における腹部皮膚表皮のRNAseq解析により、Pyyペプチドの発現量がTbx3cKOマウスで顕著に低下していることが分った。また、腹部表皮のscRNAseq解析によりTbx3+基底細胞に高く発現する遺伝子を同定した結果、表皮分化遺伝子と共にPyyも同定された。さらに抗Pyy抗体を用いた組織染色により、妊娠期の腹部表皮においてPyyタンパク質の存在量が増加することを確認した。さらに、人工合成したPyyペプチドを皮内投与した結果、表皮基底細胞の増殖が促進され、表皮増殖クラスターの形成も誘導された。このことから、Tbx3+基底細胞はPyyを分泌することにより、表皮増殖クラスターを誘導することが分った。以上の結果を論文にまとめ発表した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Delineation of biliary epithelial cell dynamics in maternal liver during pregnancy.2022

    • 著者名/発表者名
      Kozuki S, Sakurai S, Suzuki A, Yamamoto T, Toyoshima F.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 27 ページ: 192-201

    • DOI

      10.1111/gtc.12918

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Skin remodeling during physiological body shape changes. Japan-Singapore Skin Webinar Series2021

    • 著者名/発表者名
      Toyoshima, F
    • 学会等名
      Japan-Singapore Skin Webinar Series
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Vasculature-driven stem cell population coordinates tissue scaling in dynamic organs2021

    • 著者名/発表者名
      Ryo Ichijo
    • 学会等名
      27st East-Asia Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Vascular-driven stem cell states coordinates tissue scaling in dynamic skin2021

    • 著者名/発表者名
      Toyoshima, F
    • 学会等名
      第94回日本生化学大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 皮膚拡張時における増殖能の高い表皮幹細胞の出現には血管が重要である2021

    • 著者名/発表者名
      一條遼
    • 学会等名
      第73回日本細胞生物学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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