研究課題
基盤研究(B)
濾胞性ヘルパーT細胞リンパ腫は難治性の悪性リンパ腫で,新規治療法開発のニーズが高い。本研究では,濾胞性ヘルパーT細胞リンパ腫の80%以上で同定されるTET2遺伝子異常の意義を明らかにした。具体的には,TET2遺伝子異常は造血幹細胞で生じ,腫瘍性T細胞だけでなく非腫瘍性の胚中心B細胞にも認められる。TET2変異をもつ胚中心B細胞に発現するCD40が腫瘍細胞に発現するCD40リガンドに作用することが腫瘍発症に重要であることを明らかにした。
血液内科学
腫瘍細胞が発現するCD40リガンドと周囲のB細胞が発現するCD40との相互作用が,濾胞性ヘルパーT細胞リンパ腫の発症に重要であることを示した。従って,CD40リガンドとCD40の相互作用を阻害する薬剤が,濾胞性ヘルパーT細胞リンパ腫の治療薬になる可能性がある。CD40リガンドとCD40の相互作用を阻害する薬剤は,炎症疾患の治療薬として開発が進められている。この薬剤が濾胞性ヘルパーT細胞リンパ腫の治療薬として有用な可能性が示された。