研究課題
これまでに、5-FU誘導性の骨髄抑制モデルを用いて、自己複製分裂期の造血幹細胞を詳細に解析した結果、当該時期の造血幹細胞は高代謝状態でも比較的幹細胞性を維持できることを見出した。一方で、分化分裂時の幹細胞は高代謝下では分化することが、一方で低代謝下では比較的幹細胞性を維持できること、さらに前駆細胞の産生はAclyによって促進されるヒストンアセチル化に依存していることも見出しすと共に、分化分裂時では「幹細胞関連遺伝子」クロマチンアクセシビリティが減少し、「前駆細胞関連遺伝子」のアクセシビリティが上昇することも既に見出している。今年度は、ミトコンドリア代謝はAclyを介してクロマチンアクセシビリティ上昇を示す領域のヒストンアセチル化を促進することで、当該遺伝子の発現上昇に寄与することを明らかにした。これは、ミトコンドリア代謝がクロマチンアクセシビリティ上昇を示す遺伝子の発現制御を介して、幹細胞機能を制御していることを意味している。従って、本研究ではミトコンドリア代謝による幹細胞運命制御は幹細胞のクロマチン状態に大きく依存しており、幹細胞運命決定の本質はクロマチンアクセシビリティの制御である可能性を見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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