研究課題
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)がコードするtax, HTLV-1 bZIP factor(HBZ)遺伝子は発がん機構に重要な役割を担っている。HBZはATL細胞、HTLV-1感染細胞の形質に大きな影響を与えており、CCR4, PD-1, T cell Immunoglobulin and ITIM domain (TIGIT)の発現を誘導し増殖・浸潤・免疫抑制に関与する。成人T細胞白血病(ATL)細胞株においてTaxの間歇的な発現パターンを見出しており、その発現機構、発がんにおける意義を明らかにする。HTLV-1による発がん機構の解明を目指す。HBZ mRNAが主に核に局在することをRNA FISHを用いて証明した。その核局在の機構としてポリA鎖が短いことを見出し、3’long terminal repeat(LTR)が原因であることを明らかにした。核に局在するRNAはT細胞株の増殖促進効果があり、またCCR4遺伝子のプロモーター領域に結合していることを明らかにした。このアンチセンス鎖の核局在と機能的RNAとしての作用は他のレトロウイルスでも存在する可能性があり、HIV-1でも同様にアンチセンス鎖転写産物が核内に存在すること明らかにし、その機序はHBZ遺伝子と同様にポリA鎖が短いことによることを見出した。Taxの間歇的発現が細胞増殖に重要であることを明らかにしたが、そのシングルセル解析によりearly T-cell activationと同じ遺伝子群の変動が存在することを見出した。しかし、抗アポトーシス遺伝子群はTaxにより発現が増加するが、アポトーシス誘導遺伝子群の発現は抑制されており、Taxの一過性発現がT-cell activationを選択的に模倣して細胞増殖に寄与していることが示された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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