研究課題
この申請では、定常時に正常UTX(UTXWT)を発現し、誘導可能に脱メチル化活性を欠失したUTX変異体(UTXDD)または蛋白質複合体との結合部位であるTPRドメインを欠失したUTX変異体(UTXΔTPR)を発現するマウス(UTXWT/DD、UTXWT/ΔTPR)を作製し、造血幹細胞機能や造血器腫瘍発症におけるUTXの脱メチル化活性依存性、非依存性の役割を明らかにすることを研究目的とする。また、UTXのY染色体相補体UTYの機能欠失マウスも作製し、UTX/UTYファミリーによる造血系制御の全体像の解明も試みる。ゲノム編集を用いたノックインの手法によりUTXWT/DDとUTXWT/ΔTPRについて複数のラインが得られたと考えられた。まず、UTXWTが正常に機能しているかについて、ホモマウス作製により検討したところ(UTXWTが機能しない場合ホモマウスは胎生致死になる)、全てのラインについてホモマウスが得られ、少なくともUTXWT部分についてはUTXWTが正常に機能していることが判明した。また、UTYノックアウトについては、ゲノム編集を用いて得られた複数のラインについて、抗UTY抗体を用いて造血細胞におけるUTY遺伝子産物の欠失を確認した。まずUTXWT/DDマウス、UTXWT/ΔTPRマウスについてUTXWT欠失を行い、UTXDD、UTXΔTPRの発現誘導を行った。造血細胞を用いたWBの結果、UTXWTは発現しているがUTXDD、UTXΔTPRの発現は認められなかった。この結果は、欠失誘導効率が悪いか、またはUTXDD、UTXΔTPRを発現する造血細胞は生存出来ないことを示している。前者の可能性については別の誘導系を検討すると共に、後者の可能性についてはまず誘導前の造血細胞をin vitroで培養し、その後に欠失誘導を行いUTXDD、UTXΔTPRの発現を解析する予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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