ヒトノロウイルス(HuNoV)に対する効果的ワクチン開発を目的として、1)ワクチン抗原としてのウイルス様粒子(VLP)と不活化全粒子の比較、2)投与経路として注射型と経粘膜型の比較を行う予定であった。しかし、当初予想していた以上にウイルス全粒子のin vitro増殖効率の改善が見込めず、VLPを抗原とした場合の(2)の評価を行うにとどまった。結果として、VLPは注射型においても経口投与においても抗原特異的な血清IgGの産生誘導可能で、経口投与によってはさらに、アジュバントを添加せずとも中和活性を有する血清IgG、IgAと、腸管洗浄液中に分泌型IgAの産生を確認できた。
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