研究分担者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
東 真弓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10380453)
文野 誠久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40405254)
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研究実績の概要 |
ハイリスク神経芽腫に対する新規治療法として,マウスモデルに対する,間葉系幹細胞(MSC)によるhoming効果と,抗GD2抗体を用いた免疫療法を組み合わせたGD2-MSCsによる新規細胞免疫療法の開発を目的とする.将来的には,GMP準拠医薬品として製造し,医師主導治験を経てハイリスク神経芽腫に対する地固め療法としての臨床導入を目指す. 具体的には,神経芽腫の臨床試験で用いられている抗GD2抗体,IL-2,GM-CSFを組み込んだベクターをマウスMSCに導入させ,転移モデルを含む各種神経芽腫モデルマウスに対して腫瘍特異的に抗GD2抗体を作用させることにより,神経芽腫特異的抗腫瘍免疫を活性化させる予定であったが,導入する遺伝子が大きいことによる発現量の不安定性や細胞の変異の可能性を考慮し,マウスMSCには抗GD2抗体を発現する遺伝子とマーカーのみを組み込み,IL-2およびGM-CSFはGD2-MSCsと同時投与とする方針とした. 現時点では導入するDNA plasmidを作成しレンチウイルスシステムによりマウスMSCに抗GD2抗体発現遺伝子を導入し終えた段階である.作成したplasmidにはピューロマイシン耐性遺伝子を含んでおり,現在細胞のselectionを行っている.また,in vitroで抗体の機能を確認する目的でいくつかの神経芽腫細胞株との共培養を行う予定であるため,フローサイトにて各細胞株のGD2やMHCclassⅠなどの発現を確認している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一つのpromoterで抗GD2抗体(14.G2a)をGFPと同時に発現するplasmidをMSCに導入することで遺伝子発現を蛍光顕微鏡にて視覚的に確認することを検討していた.しかしMSCの元来の導入効率の低さと,発現する遺伝子の大きさ(bp)が大きいことによる導入効率の低下が障壁となり,十分な抗体発現量を持つ細胞を作成できなかった.そのため,promoterの再検討と,それに続く配列を14.G2a発現遺伝子とマーカーのFLAGのみにしぼったplasmidの再構築を行う必要があり,これらに時間を要した.
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