研究課題
乳腺由来線維芽細胞の培養系を確立し、両面培養におけるがん細胞と線維芽細胞が共存するための培養システムを確立した。両面培養システムを用いて、ホルモン療法施行時(エストロゲン枯渇時)の乳癌細胞(MCF7、T47D)と乳腺由来線維芽細胞の培養上清代謝産物のメタボローム解析と、各細胞のRNAシークエンスによる遺伝子発現プロファイルの解析を行った。ホルモン療法の治療効果に関与すると考えられる候補分子、候補シグナルパスウェイの同定については、研究分担者の協力のもとメタボローム解析、バイオインフォ―マティクスを用いて解析を行っている。さらに、mTOR阻害薬であるエベロリムスの治療効果や治療抵抗性に関与する分子、パスウェイを検討するため、両面培養システムを用いて異なるエベルリムス濃度における乳癌細胞と乳腺由来線維芽細胞の反応について検討を行った。3つの異なる濃度を用いて三次元培養を行い、培養上清とRNA回収を行い、それぞれ代謝産物のメタボローム解析、RNAシークエンスによる発現プロファイル解析とパスウェイ解析を行っている。術前におけるホルモン療法と分子標的治療薬(CDK4/6阻害薬)の治療効果や治療抵抗性に関与する分子やパスウェイについて解析を行うため、遅延していた臨床試験の促進(各医療機関とのミーティングやレターの送付)を行い、年度内で臨床試験については登録が完了し、治療も完了した。現在、組織検体や血液検体の回収を速やかに行うための準備を行っている。
4: 遅れている
COVIDに伴う来院機会の減少や受診控えによる、臨床試験のリクルートの遅れから、臨床試験の期限が延長され、臨床試験のエントリー、投薬、効果判定、検体収集において、遅れが生じた。
臨床試験は症例数を減らして登録が完了した。現在投薬も完了しデータが整備された。組織や血液検体収集を効率的に進めていく予定。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Chin Clin Oncol
巻: 9 ページ: 35-41
10.21037/cco-20-165
Breast Cancer Res Treat.
巻: 180 ページ: 331-341
10.1007/s10549-019-05512-5.