研究課題
i) 膵癌biomarkerとしてC4BPA測定系樹立を目指し、Hybrid LCA lectin ELISAを構築、溶血、乳糜による干渉実験でも安定した測定値を認めた。その測定系では、術前・術後膵癌患者血清におけるfucosylated C4BPA値は有意に術後低下し、健常人、膵炎、膵癌患者の比較では膵癌患者で有意に高値を示した。ii) C4BPAとCD40発現とがん免疫担当細胞発現との関連及び臨床病理学的検討を行うと、C4BPAとCD40は癌周囲に共発現を認め、膵癌間質C4BPA発現が高発現の群では有意に予後良好であった。C4BPA高発現かつCD40高発現群では4群間で有意に予後の良い患者群であることがわかった。iii) 末梢血単核球PBMCを用いて、T細胞分化後にC4BPAが及ぼす免疫担当細胞のsubtypeの変化について検討すると、CD8+ 陽性T細胞が増加することが分かった。さらに、mouse C4BPA peptideを用いても同様の結果を得た。マウス膵癌モデルによる抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤併用のpreclinical studyでは、C4BPA peptide投与群では腫瘍周囲のT cell accumulationと抗腫瘍効果を示した。これらのことから、膵癌でのC4BPA-CD40 axisは膵癌免疫環境で癌進展抑制的に働き治療ターゲットとなる可能性が示唆された。iv) SILAC-click chemistryを用いた膵癌細胞での網羅的分泌蛋白解析により同定されたCFBは、膵癌組織間質内のCFB発現の多寡で分けると、高発現群は予後不良であり血行性転移再発が多く、さらに、膵癌細胞内のCFB発現をsiRNAにより抑制すると、著しい細胞増殖能の低下を認めた。その理由としてsenescenceに影響し細胞増殖の調整に関わっていることを見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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