胃癌は本邦で毎年10万人以上が罹患し約5万人が命を落とす重要疾患であり、その本態としての発癌分子基盤を解明することは予後を改善するための喫緊の課題である。本研究では、臨床胃癌標本および細胞培養実験により、特にEBV胃癌やMSI胃癌と呼ばれるDNA高メチル化を呈する胃癌サブタイプに対して、エピゲノム異常による全く新たな胃発癌分子機構を同定し、またそのエピゲノム異常を誘導する分子機序を同定した。さらに同定した分子特性を応用し、有効な抗がん作用を有する化合物を同定するなど、新たな薬剤治療戦略の基盤を築いた。
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