研究課題/領域番号 |
19H03752
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
細井 昌子 九州大学, 大学病院, 講師 (80380400)
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研究分担者 |
坂本 英治 九州大学, 大学病院, 講師 (00295859)
柴田 舞欧 九州大学, 医学研究院, 助教 (20734982)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
安野 広三 九州大学, 大学病院, 助教 (30747994)
外園 栄作 九州大学, 医学研究院, 講師 (60404042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中枢性感作 / 慢性疼痛 / 家族機能 / 悪夢 / 脳容積 / 腰痛 / 有症率 / 愛着 |
研究成果の概要 |
慢性疼痛難治例では、現在のストレス状態に加えて、幼少期からの逆境により中枢性感作が生じている可能性がある。家族機能不全などの逆境から悪夢が生じ、脳機能や脳容積に変化が起こる仮説をもとに、久山町における一般住民を対象とした心身医学的疫学研究(1106人~2575人)および九州大学病院心療内科の慢性疼痛難治例(250人)を対象とした研究を行った。その結果、日本における地域一般住民において、家族機能の低下に伴い慢性疼痛の有症率と重症度は有意に上昇し、痛み関連脳領域の容積低下と慢性腰痛の関連があった。また、悪夢の苦痛度は中枢性感作関連症状や不安と関連しており、局所痛よりも広範囲痛群でより高度であった。
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自由記述の分野 |
心身医学・神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性疼痛と家族機能については小児で注目されてきたが、40歳以上の成人における家族機能の一般住民の慢性疼痛への影響は不明であった。本研究では、50年以上の歴史のある久山町疫学研究で、厳密に情報を収集し、多変量調整をしたうえでも家族機能不全が慢性疼痛の有症率や重症度を有意に上昇させていたことが判明した。また、同じ集団で1000人以上のMRIを撮影し、慢性腰痛が高齢者の脳萎縮と関連し、慢性疼痛の脳への悪影響が明らかとなり、その結果は国際疼痛学会誌PAINで注目され、学術的にインパクトをもたらした。慢性疼痛と悪夢の関連とともに、慢性疼痛の心理教育に有用な情報として社会的意義が高い。
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