研究課題/領域番号 |
19H03754
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
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研究分担者 |
恵川 淳二 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00453168)
内藤 祐介 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (00623498)
中瀬 裕之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10217739)
西和田 忠 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20649165)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
澤端 章好 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50403184)
川西 秀明 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 技師 (60835784)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
城戸 顕 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (70382306)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80271203)
田中 優 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90448770)
位田 みつる 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90623497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 術後機能障害 / 生活機能 / 栄養障害 / WHODAS2.0 / プレハビリテーション / 周術期合併症 |
研究実績の概要 |
手術後の生活機能を維持することは重要な課題であり、本研究では術後1年および5年の生活機能の評価を実施し、調整可能な関連因子を抽出する。また、関連因子に対し、術前からのプレハビリテーションとして介入できる方法について検討する。予定の非心臓血管手術を受けた患者で術後1年後の生活機能評価が可能であった2797例と術後1年までに死亡した124例の計2921例を対象に、術後1年の障害発生と関連する因子を多重ロジスティック回帰分析を実施した。結果、417例 (14.3%)が機能障害または死亡であった。年齢、BMI≧30、術前の脳血管障害、悪性疾患、拘束性肺障害、ステロイド内服、低アルブミン、低栄養が障害発生と関連する因子であった。この内、調節可能な因子は、栄養障害と肥満であり、低栄養、低栄養リスク、肥満がある場合の障害オッズは2.51、1.60、2.66であった。55歳以上の予定手術患者での術後5年目の生活機能の評価は2021年4月より調査を開始した。電話および郵送法によりデータの取得をを実施している。心臓血管外科手術を受ける55歳以上の患者101例を対象に、術前の栄養状態と術後の生活機能の関連性を評価した。生活機能は、術前、手術3ヶ月後、手術12ヶ月後に評価した。結果、38名(37.6%)で栄養障害が見られ、WHODAS2.0の得点に栄養障害は有意に関係していた(オッズ比7.16,、p=0.03)が、評価時期は有意な因子ではなかった。肺外科手術を対象とした術前からの運動・栄養療法からなるプレリハビリテーションに関する前向き無作為比較試験を、2020/2/12よりエントリーを開始しているが、新型コロナ感染症の拡大のため、エントリーは遅延している。該当患者21名で同意患者11名。3か月後の運動評価を実施したのは6名という現状である。継続してエントリーを実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
55歳以上の予定手術患者を対象とした術後機能障害に関するコホート検討であるが、予定どうり2021年4月より、電話および郵送法によりデータの取得を開始している。患者エントリー期間が2年9カ月あったため、継続的にデータの取得を実施する。
肺外科手術に関するプレハビリテーションの前向き検討はエントリーを開始しているが、新型コロナ感染症の拡大により、エントリーを一時中断している。新型コロナ感染症の対応のため、手術枠の削減と病棟の削減により、症例数が大幅に減少。また、感染機会の軽減のため病院訪問を制限しているため、研究目的での訪問が困難と判断し、一時中断した。研究の実施体制は確立しているため、感染状況が改善すれば実施は可能な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
55歳以上の予定手術患者を対象とした術後機能障害に関するコホート検討であるが、予定どうり2021年4月より、電話および郵送法によりデータの取得を開始している。患者エントリー期間が2年9カ月あったため、継続的にデータの取得を実施する。
1年後の生活機能障害に関するデータ解析を実施し、論文投稿している。また、サブ解析も実施始めている。種々の角度から、術後生活機能に関する検討を継続する。
肺外科手術に関するプレハビリテーションの前向き検討はエントリーを開始しているが、新型コロナ感染症の拡大により、エントリーを一時中断している。新型コロナ感染症の対応のため、手術枠の削減と病棟の削減により、症例数が大幅に減少。また、感染機会の軽減のため病院訪問を制限しているため、研究目的での訪問が困難と判断し、一時中断した。研究の実施体制は確立しているため、感染状況が改善すれば実施は可能な状況である。ただし、感染状況が収まらない場合は、他の研究プロトコールを検討する必要があるかもしれない。
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