研究課題/領域番号 |
19H03755
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 大介 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30455844)
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研究分担者 |
早川 峰司 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10374282)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 特任教授 (10447162)
麦倉 俊司 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (20375017)
植田 琢也 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40361448)
久志本 成樹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50195434)
高瀬 圭 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60361094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人工知能 / 機械学習 / 画像診断 / CT / 救急患者 |
研究実績の概要 |
2019年度に東北大学および北海道大学の画像保管サーバにあるCT画像を選択して、50症例分ほど取り出し、本研究用の中央サーバに移管した。その画像を用いて、頭部CTの各解剖学的部位の位置情報均一化アルゴリズムを試みた。位置情報均一化アルゴリズムの開発の具体的方法として以下を行った。脳内各領域の分類は、既存の画像処理技術に加えて、Random walk やRegion proposal (物体検出)で画像の中の区分(臓器や骨の領域など)を判定する(Random walk、Region proposalは顔認証などに使用する技術で、これを改変応用する。試行錯誤したが、直接に位置情報を均一化するのは困難であった。そのため、まずは機械が頭部CT各スライスの正常像を学習して、異常所見を異常だと認識できるように学習させ、アルゴリズムを確立することを目指した。位置情報を均一化しなくても異常所見を指摘できるという形を目指すこととした。これにはGAN(敵対的生成ネットワーク)の技術を用いて学習させて機械に正常像を把握させる方法を使った。つまり機械が正解(正常像)にたどり着くまで、ひたすら学習を繰り返すという方法である。令和2年度中には、機械がある程度正常像を把握できる段階まで進んだ。あるスライスの一部を欠損した画像を機械に提示すると、複数回計算を繰り返した後、正常像を補うことができるというものである。しかし、十分な精度には至っておらず、スライス内の部位によっては、骨を十分に再現できなかったり、実質像や脳室などがぼやけたりという問題がある。これを解決するためには、さらなる学習が必要と考えられ、正常画像を追加で収集する必要が生じた。北海道大学病院から画像データを追加した。現在学習を繰り返すことで精度向上を図っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度後半までは、位置情報の均一化アルゴリズムの確立を試みてきた。試行錯誤したが困難であり、アプローチを変更することとしたため。
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今後の研究の推進方策 |
各スライスにおける異常所見の有無を正確に指摘できるアルゴリズムを確立し、その精度を上げることを当面の目標とする。CT画像を追加して学習を繰り返している。 次の段階として、その異常所見が何を意味するのか、何が疑わしいかについて画像レポートと合わせる形で学習させる。この段階でも画像データの追加が必要と考えている。 異常所見の意味や鑑別診断を挙げることができるようになったら、放射線科医の読影と比較して、アルゴリズムの精度を検証する。
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