研究課題/領域番号 |
19H03756
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岡田 英志 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30402176)
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研究分担者 |
渡邉 崇量 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30509435)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
宮崎 渚 朝日大学, 歯学部, 准教授 (50550141)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 血管内皮グリコカリックス / 体液貯留 / 心不全 / 血管炎 |
研究実績の概要 |
正常時に血管内に存在するグリコカリックスは炎症により障害され、血管透過性亢進が生じる。この中で浮腫により開大した血管外腔の周辺組織表面を覆うように硝酸ランタンで描出される薄いグリコカリックス層が出現することを確認した。次に血管外腔周囲組織に生じるグリコカリックスが、傷害された血管内皮グリコカリックスの血管外漏出により生じているものなのか?あるいは血管周囲組織から発現しているものなのか?を調べるために、グリコカリックスの主成分であるヘパラン硫酸の合成に必須の糖転移酵素であるEXT1を血管内皮特異的にノックアウトしたマウスにリポ多糖を投与し血管炎を作成して検討を行った。このマウスの血管内皮細胞上のグリコカリックスは著しく減少していた。このマウスに血管炎誘発すると、血管外腔周囲組織にやはり硝酸ランタンにて描出される構造物が出現しており、血管内腔のヘパラン硫酸由来の構造物ではない可能性が示唆された。 次に体液貯留モデルとして9-12週齢のオスのδサルコグリカンノックアウトマウス(dSGKO)を用いて、超微形態学的に解析したところ、血管周囲組織に硝酸ランタンで描出される構造物を確認した。 さらにリポ多糖誘発性血管炎モデルに対してリコンビナントトロンボモジュリンを投与したところ血管外への硝酸ランタンの流出が抑えられていることが確認された。この機序として肺、心臓の毛細血管においてヘパラン硫酸の合成酵素などの発現が亢進し血管内皮グリコカリックスの修復が行われた可能性があることが示唆された。 今後も検証が必要ではあるが、血管内皮グリコカリックスが血管周囲腔に移動した可能性については、現時点では否定的であるが、本研究により硝酸ランタンがグリコカリックスの障害による血管透過性の一つの指標になる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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