研究課題/領域番号 |
19H03785
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
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研究分担者 |
中佐 智幸 広島大学, 病院(医), 講師 (60467769)
眞田 洋平 広島大学, 病院(医), 研究員 (50796117)
山西 芳裕 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60437267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 老化細胞 / エクソソーム / microRNA / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、変形性関節症(OA)は老化細胞から分泌するmiRNAを含むエクソソームによる組織恒常性ネットワークの破綻と関係するという仮説のもと、関節恒常性維持に関わる骨髄間葉系幹細胞(MSC)、軟骨細胞由来エクソソームを解析し、老化細胞由来のmiRNAを含むエクソソームとOAの関係を探索する。 現在、抗がん剤の一種であるdoxorubicin処理により骨髄間葉系幹細胞(MSC)及び軟骨細胞に細胞老化を誘導し、細胞老化マーカーなどの遺伝子発現やエクソソーム分泌量の変化などについて調べた。さらに、エクソソーム内のmiRNAがOAに関与しているかについて解析を行うために遺伝子改変マウスを用いて解析している。関節軟骨細胞より分泌しているエクソソームmiRNAのトップ2である2種類のmiRNAの全身もしくは軟骨特異的KOマウス及び過剰発現マウスの自然加齢モデルとOA誘導モデルによりOA発症の有無や程度を病理組織学的に解析した。その結果、これらマウスの膝関節における顕著な病理組織学的変化は観察されなかった。さらに、in silicoドラックリポジショニングのために、正例となる候補薬についてOA抑制効果を示すことが報告されている老化細胞除去薬や抗老化・抗酸化関連の化合物など(10種)を老化促進マウスへ投与し、病理組織学的解析を行った。そして、軟骨細胞におけるその薬物応答遺伝子発現解析をRNA-Seqを用いて行い、自前の薬剤応答遺伝子発現データとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変形性関節症を軽減させるような正例となるはずの薬剤の効果が軽微であるため、正例となるはずの薬剤の十分なデータが揃っていないが、その他はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、老化細胞の解析とマウスの薬理学的及び病理組織学的解析を引き続き行うとともに、研究分担者らとともに機械学習プログラムにより、発現データ、そしてKEGGデータベースなどを用いて日本や欧米で承認されている全ての薬物に適用し、薬物に関する構造を含むケミカル情報や副作用情報、薬物応答遺伝子発現情報、疾患に関するフェノタイプ情報やパスウェイ情報などの網羅的データを融合解析し、潜在的な薬物の効能を体系的に大規模予測するためのin silico手法を用いた解析を行い、候補既存薬を探索していく。
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