研究課題
本研究は、難治性かつ「希少がん」である骨軟部腫瘍の生命予後の改善を目的として、治療成績向上の要となる腫瘍発生・悪性化・治療抵抗の原 因因子を特定し、新規治療標的およびバイオマーカーの開発を進めている。特徴として、骨軟部腫瘍患者検体を用いたがんクリニカルシークエンス による遺伝子プロファイリ ング、 免疫応答解析による免疫担当細胞プロファイリングならびに免疫応答の側面より生物学的理解と因子同定を進め、その成果に基づいた分子標的阻害剤適応拡大、個別化医療開発、免疫治療開発を推進することによる迅速な新規治療法確立を計画している。下記順次達成し、早期骨軟部腫瘍の予後改善に向けた臨床医 学の基盤構築を目指している。(1) 骨肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め骨肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロ ファイリン グを進める。(2) 軟部肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め軟部肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロファイリングを進める。(3) 骨軟部腫瘍の免疫応答解析:骨軟部腫瘍検体に対して免疫応答解析を行い、免疫担当細胞のプロファイリングを構築し、その腫瘍の 発生・ 悪性度・抵抗性を担う各種免疫担当細胞の明らかにする。本年度は昨年度に引き続き、(1),(2)計画に対して研究を進め、新規治療標的候補同定に成功した。またがんCSなどに代わる簡易検査開発のための基盤データ作成を行った。
2: おおむね順調に進展している
計画に則り研究は進んでいる。(1) 骨肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め骨肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロ ファイリン グを進める。(2) 軟部肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め軟部肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロファイリングを進める。
(1) 骨肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め骨肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロファイリングを進める。細胞株及び手術検体で骨肉腫治療標的と考えられる遺伝子変化の同定とその簡易検査を開発を進めた。(2) 軟部肉腫のがんCS解析:骨軟部腫瘍のがんCSによるプロファイリングを進め軟部肉腫のTK遺伝子変化を中心とする遺伝子変化のプロファイリングを進める。 具体的には、現在までに注目をしている軟部肉腫のTK遺伝子変化を中心に、潜在的な新規治療標的群の選出を行い、TK遺伝子変化疫学的・臨床病理的背景解明と発現検証を進める。RNAベースの解析で複数の新規TK融合遺伝子を骨軟部肉腫に同定した。 (3) 骨軟部腫瘍の免疫応答解析:骨軟部腫瘍検体に対して免疫応答解析を行い、免疫担当細胞のプロファイリングを構築し、その腫瘍の発生・ 悪性度・抵抗性を 担う各種免疫担当細胞の明らかにする。具体的には、治療前後、組織型別等の患者検体(血液・腫瘍)に含まれる各種免疫担 当細胞を各種細胞表面物質と細胞内物質に別け、その各種免疫担当細胞(CD4陽性リンパ球, CD8陽性リンパ球、B細胞)、NK細胞、NKT細胞、樹状細胞、免疫抑制細胞(制御性T細胞、骨髄由来抑制細胞 (Myeloid Derived Suppressor Cell; MDSC),M2-マクロファージ(腫瘍組織)等)に ついてマルチカラーフローサイトメーター・マスサイトメーター等(血液・腫瘍 検体の数量的質的評価)や免疫多重染色(腫瘍内の各種細胞の局在相互関連)にて免疫応答プロファイリングを進め、臨床病理学データと総合・相乗的に解析す る。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (23件) (うち国際共著 2件、 査読あり 23件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件)
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