研究課題/領域番号 |
19H03796
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80260496)
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研究分担者 |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40598653)
平池 修 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20529060)
甲賀 かをり 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10396723)
平田 哲也 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30431860)
原田 美由紀 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70451812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | RB / STAT3 / 着床 / 子宮内膜 / 上皮 / 間質 / ネクロトーシス / 細胞増殖 |
研究実績の概要 |
子宮内膜上皮、子宮内膜間質、子宮全体の転写因子Stat3欠損マウスを作成した。上皮と間質のStat3欠損マウスはいずれも子宮内膜への胚接着がなく着床障害をきたしたことから、上皮と間質の両方のSTAT3が胚接着に必須であった。上皮のStat3欠損マウスの子宮は子宮管腔が入り組んだ構造を示したことから上皮のSTAT3は子宮管腔形成への関与が示された。一方間質のStat3欠損マウスは子宮内膜上皮のエストロゲン応答能亢進と持続的な細胞増殖を示し、子宮内膜の胚受容能における間質のSTAT3の役割が示された。子宮内膜上皮のSTAT3は着床期の子宮管腔のスリット状形態変化を制御し、子宮内膜間質のSTAT3は上皮のエストロゲン応答能と細胞増殖能を抑制することが示され、子宮内膜上皮および間質のSTAT3が異なる経路を介して子宮の胚受容能を調節していることが示された。 細胞周期停止を誘導する網膜芽細胞腫蛋白RBの子宮特異的RB欠損マウスを作成したところ着床障害をきたした。RB欠損子宮内膜上皮では持続的な細胞増殖をきたしネクロトーシスが起こらず胚浸潤が障害された。RBによって誘導される細胞増殖抑制と子宮内膜上皮のネクロトーシスが胚浸潤に関与していることが示された。また、着床前のプロゲステロン(P4)補充によってこれらの表現型は完全に救済されること、RB欠損子宮内膜上皮細胞ではTNFαで誘導されるネクロトーシスが起こらないこと、子宮内膜上皮細胞増殖抑制物質であるであるチミジンまたはP4の投与により2型のTNF受容体が増加することが示された。TNFαは子宮内膜管腔上皮および着床期胚で発現していることから、子宮内膜上皮のRBによって起こる細胞増殖抑制によりTNF受容体の発現増強が起こりさらに着床部位由来のTNFαによって子宮内膜上皮のネクロトーシスが誘導され、胚浸潤を調節していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究が予想以上に進展し、英文論文を多数発表できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進展しており、この調子で進捗がある研究について重点的に研究を進める。これにより、更なる研究の発展が期待できる。
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