研究課題/領域番号 |
19H03805
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
平野 滋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
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研究分担者 |
椋代 茂之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00821860)
杉山 庸一郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50629566)
斉藤 敦志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80573633)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 声帯再生 / 声帯瘢痕 / 再生医療 / 幹細胞 / 細胞増殖因子 / PRP / 羊膜 |
研究実績の概要 |
声帯瘢痕の重症度に応じた治療法の開発を行ってきている。本年度は重症声帯瘢痕に対する再生医療的アプローチとして、細胞増殖因子のコンビネーション、血小板由来PRP、羊膜移植についての動物実験を行ってきた。 1.細胞増殖因子コンビネーション治療:塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と肝細胞増殖因子(HGF)のComboによる声帯再生効果を検証した。In vitroではラットの瘢痕声帯由来線維芽細胞を培養し、bFGFのみ、HGFのみ、Comboの3群を作り、線維芽細胞における遺伝子発現を検討した。Controlに比べComboのみがヒアルロン酸合成酵素(HAS)の有意な遺伝子発現を認めたが、bFGFのみ、HGFのみの群との有意差はなかった。続いてラットの声帯瘢痕にそれぞれを局所投与し、組織学的な再生効果を確認したところ、Comboにおいてのみ有意なヒアルロン酸の増加とコラーゲン線維の減少を認めた。 2.PRP治療:ラットよりPRPを抽出し、重症瘢痕声帯に投与しその効果を確認した。現在まだ進行中であり、その効果については次年度に明らかになる予定である。 3.羊膜移植による声帯再生:ラビットの声帯粘膜を全除去し、羊膜を移植する実験を行った。その結果、移植された羊膜は1週目には生着し、1か月で声帯粘膜が再生された。組織学的にも十分なヒアルロン酸を有し、良好な再生効果と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロードマップに沿って計画通り進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に推進しており、計画通りに遂行する予定である。PRP治療、羊膜移植治療において最終的にまとめ、全体の病態別声帯瘢痕治療法の指針を作成する。
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