研究課題
ヒトiPS細胞から網膜神経節細胞を作製した。作成率が90%以上で、作成後2週間は安定しており、発生や移植、創薬などに応用研究できる。このヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞の軸索伸長を客観的に評価する方法として、軸索の数や長さだけでなく、軸索流、電気生理学的反応、軸索先端の成長円錐の形態を指標とした。これによって、軸索伸長とその機能を客観的に評価できる。虚血性視神経症の細胞モデルとしてヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞を低酸素環境下で培養し、軸索伸長と機能の抑制、アポト-シスが起こることを明らかにした。さらに、これを回復させる化合物を同定した。軸索伸長の経路誘導に関する評価法を確立した。軸索伸長の亢進や抑制、屈曲を起こす化合物の候補を局所投与し、軸索の成長先端の形態や伸長の動画撮影等によって効果を確認した。疾患iPS細胞としてレーベル視神経症、無虹彩症、優性視神経萎縮を作製した。いずれも神経節細胞の分化、軸索伸長の障害がみられた。レーベル視神経症の細胞モデルにおいて、軸索障害を抑制する候補化合物を1つ確認した。ヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞をさまざまなグリア細胞(アストロサイト、ミュラー細胞、オリゴデンドログリア)と共培養した。ミュラー細胞で最も軸索の伸長が良く、アストロサイトでは軸索が束ねられることが明らかになった。ヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞を単離させる技術を開発した。これを、マウスの網膜内に移植することによって、生着し、軸索が視神経内へ伸長することが確認された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)
Genes
巻: 13 ページ: 359
10.3390/genes13020359
Ophthalmol Retina
巻: 5 ページ: 702-710
10.1016/j.oret.2020.10.012
J Hum Genet
巻: 66 ページ: 1021-1027
10.1038/s10038-021-00909-x
巻: 66 ページ: 205-214
10.1038/s10038-020-00836-3