研究実績の概要 |
まず下肢リンパ管を走行的に独立した4つのグループ(PL,PM,AL,AMグループ)に分けることに成功した。それが大伏在静脈・小伏在静脈など皮静脈に強く関係することも明らかにしている。また、CTリンパ管造影法を発展させ、多数の遺体からリンパ管とリンパ節の関係性を下肢にて明らかにし、発表している。これによると下肢リンパ管の機能は鼠径部・膝下部リンパ節のうち3つが主に担っていることが明らかになった。次に、上肢リンパ管とリンパ節の関係を明らかにした。静脈との関係より上肢リンパ管は5つのグループに分けることに成功し、CTリンパ管造影より腋下・肘部リンパ節のうち主に3つのリンパ節が上肢リンパ系の機能を担っていることを明らかにしている。次に、リンパ浮腫患者におけるリンパ管造影法・リンシンチグラフィの変化を明らかにすべく解析を開始している。リンパ管の変化はリンパシンチグラフィの解像度では明らかにできなかったため、ICG蛍光リンパ管造影法でリンパ管の変化を明らかにすること、リンパ節の変化はリンパシンチグラフィで解析をしている。リンパ浮腫早期ではPLグループが、次にPMグループが障害され、次にAMグループ、最後にALグループが障害されることが分かった。上記結果より、リンパシンチグラフィの際の注射部位を内果・外果・足背部外側中点の3カ所に決定できた。リンパシンチグラフィとICG蛍光リンパ管造影検査の比較を同一患者で行ったところICGの感度は98.56%なのに対しシンチでは69.7%であった。特に早期の症例ではICG92%に対しシンチ41%であり。早期発見のためにICGが有用であることが分かった。早期症例をICGで検出しリンパ管静脈吻合術による介入を行っている。
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