研究課題
歯胚発生期に着目してオミックス解析により歯根膜発生・形成に重要な特異的因子を同定、機能解析することで歯根膜発生機構の一端を解明し、さらに歯根膜発生・形成に重要な同定因子を幹細胞分化制御候補因子として歯根膜細胞への分化誘導能について検討することを目的として研究をさらに進めた。これまでに、マウス胎生18日齢の臼歯歯胚より、歯胚上皮組織、歯乳頭組織、歯小嚢組織を分離し、微量RNA-seqによる発現遺伝子の網羅的解析の結果、歯小嚢組織に高発現していた複数の因子を抽出し、各因子の発現パターンの解析および機能解析を進めた結果、Tmem100、TGM2およびActa2が歯の形態形成および歯根膜組織の維持に重要な役割を担っていることが示唆された。これらの因子に加えて、IGFBP3について検討したところ、歯胚発生過程において歯小嚢組織にその発現が局在していた。歯根膜幹細胞株を用いた機能解析では、細胞伸展により発現に影響があり、細胞の形態、走化性および線維形成に重要な役割を担っていることが明らかになった。また、TGF-beta1-smad2/3のシグナル経路に関与している可能性が示唆された。一方で、IL-6やtoll-like receptorsの発現にも関与しており、抗炎症作用を有する可能性も示唆された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Infection and Chemotherapy
巻: 30 ページ: 306~314
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