研究課題
本研究では、ケラチノサイトに初期化を不完全に誘導し、ヒト口腔癌でみられる遺伝子変異を導入することによりヒト口腔癌病態を模倣した癌幹細胞モデルを確立することを目指している。さらに、その解析から新たな口腔癌の発生・進展機構を解明することを目的としている。2021年度は、ゲノム編集により作成したTP53、CDKN2A、FAT1の遺伝子変異を有するノックインマウスのコロニーを拡大し、それらを交配させた。しかし、本学歯学部動物実験施設の閉鎖に伴う動物の移設のため、動物の受精卵を採取し、新施設でのコロニーの拡大のために時間を要した。トリプルノックインマウスはまだ作成中である。TP53、CDKN2A、FAT1シングルあるいはダブルノックインマウスのマウス舌から採取したケラチノサイトを培養中で、増殖や造腫瘍性を検討している。FAT1ホモノックインマウスは、ほとんどが胎生致死であるため、胎児の解析を行なったところ、下顎と舌の形成不全により出産後すぐに死んでしまうことが明らかとなった。FAT1ホモノックインマウス胎児の詳細な解析から、下顎と舌の形成に関わる第一鰓弓の形成不全があり、RNAシークエンス解析から、ディスタール部位の細胞の遺伝子発現異常が認められた。現在、FAT1ホモノックインマウスから採取した細胞や組織を用いて、詳細に解析している。本解析により、FAT1による顎顔面形成の新たな知見が得られることが期待される。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Oral Biosci
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J Oral Health Biosci
巻: 34 ページ: 26-33