研究課題/領域番号 |
19H03860
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
相田 潤 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80463777)
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研究分担者 |
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
山本 龍生 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20252984)
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
小坂 健 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60300935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 因果推論 / 認知症 / 死亡 / 高齢者 / 口腔の健康 / 口腔と全身 / 孤食 / 社会的孤立 |
研究実績の概要 |
本研究はビッグデータから口腔の健康と全身の健康について因果推論を行うものであり、本年度は口腔の健康と全身の健康の因果推論に関して、主に6本の英語論文を出版した。直接的に口腔の健康の寄与を示す研究としては、高齢者の死亡に歯の喪失が大きく寄与することを示した研究を出版した。この研究では、リスクと有病率の掛け算の概念である人口寄与割合という指標を用いた。その結果、有病率の高い歯の喪失という状態が、他の変更可能なリスク要因と比較しても大きな寄与を死亡の発生に対して果たしていたことを明らかにした。さらに、補綴治療の影響を明らかにする研究として、補綴治療が高齢者の体重減少を予防する保護的効果を示した研究を行った。また全身の健康に深く関連する行動的な要因に、口腔の健康が寄与していることを示す研究も行った。1つは、高齢者の認知症のリスクでもある「社会的孤立」に歯と補綴治療が保護的に寄与することを示した研究であり、もう1つは高齢者の全身の健康に影響する「孤食」に口腔の健康が影響することを示した研究である。これらの研究から、高齢者の重要な変更可能な要因に口腔の健康が寄与していることが明らかになった。さらに、口腔の健康と全身の健康の間のメカニズムを解明する研究も行った。1つは高齢者の口腔とうつ症状の関連を口腔機能が媒介することを示した研究であり、もう1つは高齢者の口腔と認知症の発症の関連を社会的交流や食事といった口腔機能が媒介することを示した研究である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
口腔と全身に関してJournal of Dental Research、The Journals of Gerontology: Series A、Journal of the American Geriatrics Society、Appetiteをはじめとしたこの分野でインパクトの大きい雑誌に論文を出版でき、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、コホートデータの分析を行い、口腔と全身の健康に関する研究を進めていく。また利用するデータを拡大しより角度の広い研究を行うことも検討している。
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