研究課題/領域番号 |
19H03879
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研究機関 | 福岡県保健環境研究所 |
研究代表者 |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 主任技師 (20760739)
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研究分担者 |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 講師 (50555555)
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
今任 拓也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 主任研究員 (20368989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ケアの継続性 / 国保データベース / 医療レセプトデータ / 介護レセプトデータ / 特定健康診査 |
研究実績の概要 |
2019年度は、国保・後期間で移行した者の名寄せロジックを完成させ、糖尿病患者のケアの継続性(COC: Continuity of Care)に関する指標の測定と測定精度の検証、医療・介護費に与える影響の評価を行った。 2013-2017年の国保データベース(KDB)に含まれるCSV突合データのうち、2013年度から2017年度までのKDB被保険者台帳から、国保の加入資格喪失者であった者のうち、資格喪失事由が年齢到達もしくは障害認定による資格喪失である者と後期高齢者医療制度加入者のうち、資格取得事由が年齢到達もしくは障害認定であるものを抽出した。これらを性、生年月日、表示用もしくはカナ氏名のハッシュ値、郵便番号をキーとして連結し、縦断IDを付与した。75-79歳の加入者について名寄せ前のKDB個人番号数を各年度の総人口で除した加入率は127.9~146.3%と総人口を超過していたが、名寄せ後には87.4~94.8%程度となり、大きく名寄せできた。 糖尿病患者のケアの継続性に関する解析では、2012-2014年度の特定健康診査を受診した65歳以上の高齢者のうち、外来において糖尿病の診療を受けていた者を対象とした。健診受診翌年度のレセプトから、ケアの継続性の指標として、Continuity of Care Index(COCI)を算出し、健診受診翌々年度のレセプトデータから入院レセプトの発生の有無、医療費をCOCI0.75以上/未満の2群で比較した。その結果、COCI>0.75の群で、入院率は0.9%程度低く、医療費も、13,163円程度低く、新規に治療を開始した高齢糖尿病患者におけるケアの継続性は入院リスクの低減と医療費の減少と関連していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、解析対象疾患の予定を変更し、糖尿病に関する分析を行ったが、今年度の研究計画のうち、最も重要である国保・後期間で移行した者の名寄せロジックを完成させることはできており、今後の研究を進めるに当たって有用な情報も得られたため、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、前年度のデ-タを追加し、急性脳卒中・大腿骨骨折術後患者の退院後と外来において治療中である慢性呼吸器疾患を対象とし、解析を進める。 これらの解析結果についてとりまとめ、国内・国際学会発表及び論文投稿を行う。
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