研究課題
1)小児におけるインフルエンザワクチン接種の重症化予防効果を、「発病時の鼻汁中のウイルス量(濃度)低減」の側面から評価した(当教室の博士課程大学院生である迎恵美子も研究協力者として参画)。申請者らが2013/14~2017/18シーズンに実施したインフルエンザワクチン有効性調査で登録した6歳未満小児のうち、当時のreal-time RT-PCRでインフルエンザ陽性であり、保存している鼻汁吸引検体(既存試料)を用いて各シーズンの主流行株であった亜型・系統のウイルス量の測定を完了し、データ分析に必要な情報に欠損のない1,185人を対象とした。鼻汁中のウイルス量を中央値で「高ウイルス量」または「低ウイルス量」に分類して分析した結果、各シーズンのインフルエンザワクチン接種はウイルス量の高低と有意に関連しなかった。高ウイルス量と有意に関連した因子は、A(H1N1)pdm09陽性またはA(H3N2)陽性であること(B(Yamagata)陽性と比較して)、検体採取時の発熱レベルが高いこと、発症から検体採取までの日数が短いことであった(英文論文執筆中)。2)小児におけるインフルエンザワクチンの連続接種の影響について、令和2(2020)年度に分析した結果を英文原著論文として公表した(当教室の博士課程大学院生である松本一寛も研究協力者として参画、Matsumoto K, Fukushima W, et al.Vaccines (Basel). 2021;9(12):1447). 申請者らが過去に実施したインフルエンザワクチン有効性調査から、対象者の「生後から現在まで」に渡る接種歴をもれなく把握している2016/17~2017/18シーズンの情報を分析した結果(分析対象:調査シーズンに1~5歳であった1,995人)、現行シーズンのワクチン有効率は、前シーズンの接種により減弱しないことを示した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Vaccines (Basel)
巻: 9 ページ: 1447
10.3390/vaccines9121447