研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の生活の質(QOL)の維持および要介護予防を目的とした大規模住民コホート研究Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability (ROAD)において、コホート参加者に13年目、17年目の追跡調査を実施して、1)17年間のデータの蓄積によって得られた参加者の予後データから要介護の発生率を推定し、要介護の5大原因疾患の前段階である軽度認知障害(MCI)、メタボリック症候群(メタボ)、フレイル、骨粗鬆症(OP)、変形性関節症(OA)の発生率、自然経過を推定し、これらがそれぞれどの時期に発生し、どのように進行するのかを解明することを目的とする。 本年度は、ROAD (参加者3,040人(男性1,061人、女性1,979人)、平均年齢70.3歳)の13年目の追跡調査結果を入力整理し、ROAD第5回13年目の調査データセットを完成した。このデータセットを用いて、2012-13年に実施したROADスタディの第3回調査(ロコモティブシンドローム(ロコモ)研究のベースライン)に参加した対象者のうち、3年後となる2015-16年の調査、および6年後となる2018-19年の追跡調査に参加した男女1,575人(男性513人、女性1,062人、平均年齢65.6歳)を対象として、ロコモの発生率を推定した。その結果、ロコモ度1の発生率は総数88.8/1,000人年(男性 76.0/1,000人年、女性 95.3/1,000人年)、ロコモ度2の発生率は総数31.7/1,000人年 (男性 30.6/1,000人年、女性 32.3/1,000人年)となった。ロコモ度3の発生率は、総数18.6/1,000人年(男性16.2/1,000人年、女性19.8/1,000人年)であることがわかった。
|