研究課題
本研究の目的は、認知機能障害の発生リスクに関して、①歯周病による慢性炎症の関与と②咀嚼力低下による低栄養の関与の2つの機序を想定し、疫学的手法で検証することである。2020年度に地域高齢者を対象に口腔機能検査、栄養調査、認知機能検査を行う予定であった。対象者の募集と調査健診の通知を行ったものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、対面での調査健診を中止することになった。郵送法のアンケート調査に切り替え、75歳以上の高齢者360名から、内科疾患の病歴、認知機能、日常生活動作評価、ヘルスリテラシー、食生活習慣、外出頻度、睡眠障害、フレイル、口腔機能のデータを収集した。2021年度も新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、高齢者を対象とした対面の疫学調査の対象者確保が困難であった。そのため、郵送法によるアンケート調査とWebによるアンケート調査に切り替えた。内科疾患の病歴、認知機能、日常生活動作評価、ヘルスリテラシー、食生活習慣、外出頻度、睡眠障害、フレイル、口腔機能のデータを収集した。郵送法で349名分、Webによるアンケート調査で2000名分の回答を回収した(すべて65歳以上)。2022年度分科研費を2023年度まで延長し、Webによるアンケート調査を実施し、65歳以上の男女1200名分のデータを収集した。全期間を通して、郵送法で709名分、Webによるアンケート調査で3200名分のデータを収集した。研究期間の大半が新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なり、対面で口腔機能検査および認知機能検査を行うことができなかったため、前述の仮説①の検証は困難となった。しかし、郵送とWebのアンケートから口腔機能と栄養状態と認知機能の関連についての多変量解析を行い、咀嚼力維持群と低下群における栄養指標の違いが体重減少および認知機能障害の発生リスクの差につながるかについて検証した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bone
巻: 154:116240. ページ: 1,9
10.1016/j.bone.2021.116240