研究課題
BOSHI研究では、出産8~12年後の母児に対し郵送にて追跡調査の案内を行うとともに電話にて声がけを行った。母親に対しては、質問票調査、2週間の家庭血圧測定を行うとともに、来所にて、脈波伝播速度測定、Augmentation Index測定、FMD測定、生化学的検査を実施した。児に対しては、質問票調査、2週間の家庭血圧測定を行った。また、母子健康手帳から、児の成長に関する項目を転記した。家庭血圧測定を含む生理学的検査と、生化学的検査については参加者に検査結果を主に対面にて返却した。330名分のデータを収集し、調査回答時の母親の平均年齢は41.1±4.9歳、児の平均年齢は8.2±0.8歳であった。妊娠前のBMIが25kg/m2未満であった女性を対象に妊娠期間中の体重増加と出生体重との関連の検討では、妊娠初期、中期、末期までにそれぞれ平均で0.9、6.2、10.7kgの累積体重増加を認め、平均的な累積体重に達していない妊婦から生まれた児については、出生体重への影響がそれぞれ 65.9 g、-195.4 g、-188.8 gで、妊娠中~末期については有意であった。妊娠中~末期の不十分な体重増加が児の出生体重と関連している可能性が示唆された。エコチル調査の追加調査では、出産8年後の母児に対し、対面で追跡調査を行う際に、追加調査として、希望する母子に対し2台の家庭血圧計を貸与し、1日に朝晩2回の家庭での血圧測定を2週間にわたり実施し、返送してもらった。2019年7月13日から2020年2月21日までで856人の母子から測定された家庭血圧データを収集した。
2: おおむね順調に進展している
3月にCOVID-19の蔓延とその対策のために来所や来院を促す郵送連絡や電話連絡を縮小したが、それ以外についてはおおむね順調に進展している。
COVID-19による郵送連絡や電話連絡による来所や来院の声がけ縮小期間中には、データ整理ならびに倫理申請書類の整備を行うとともに、郵送による追跡調査を中心に実施する。声がけの再開の際には感染伝播に注意しつつ対面での調査を実施する。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Journal of Developmental Origins of Health and Disease
巻: 12 ページ: 280~285
10.1017/S2040174420000240
Hypertension Research
巻: 43 ページ: 550~559
10.1038/s41440-020-0416-2
http://www.tohoku-mpu.ac.jp/laboratory/PHHE/index.html