研究課題/領域番号 |
19H03914
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
清野 諭 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50725827)
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研究分担者 |
遠峰 結衣 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20788898)
北村 明彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (80450922)
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (60171063)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フレイル / サルコペニア / 地域介入 / 高齢者 / アクションリサーチ |
研究実績の概要 |
これまで介入してきた3つの地区については、引き続きコミュニティ会議と地域型フレイル予防プログラムの開催支援をおこなった。3つの介入地区で創出された取り組みや普及ツールをもとに、地域住民が通いの場などでフレイル予防に取り組む際に活用できる「フレイル予防スタートブック」を作成した。 また、フレイル予防グッズについては、ホームページ上で公開し、ダウンロード可能なものとした。これらによって、他の15地区にもフレイル予防の取り組みを展開するため、区内の全地域包括支援センターに対して、この「フレイル予防スタートブック」とフレイル予防グッズの活用に関する研修を実施した。また、15地区それぞれでフレイル予防活動を立ち上げるための協議・研修会を開催した。 これらの実践活動の他、本研究のベースラインおよび追跡調査データを用いて、論文・学会発表をおこなった。具体的には、地域在住高齢者7759名を対象として、運動実践形態(運動非実践、個人実践、集団実践)と身体活動量、身体機能、精神的健康との関連を検討した。個人または集団実践群では、運動非実践群よりも身体活動、身体機能、精神的健康水準がいずれも良好であった。集団実践群では、個人実践群よりも身体活動と精神的健康水準がさらに良好であった。身体機能水準には個人・集団実践群間に差がなかった。以上の内容を論文として公表した。また、2年間の追跡調査結果を活用して、地域在住高齢者のフレイル認知度は20%であることを論文として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会および論文発表と、地域での実践活動や住民向け手引き(フレイル予防スタートブック)作成を両立できたため、概ね順調に進展したと考えている。しかしながら、住民会議を重ねながらようやく計画されたウォーキング企画が、新型コロナウイルスによる感染症の影響で中止になってしまった。今後は計画の見直しが必須になると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
日々の地域活動や身近な生活の各場面にフレイル予防の要素を“ちょい足し”するための研修を実施する。これによって、さまざまな取り組みにフレイル予防の要素を無理なく付加することで、フレイル予防の取り組みを拡大することを目指す。また、本プログラムを他地域でも活用できるものに一般化する予定である。 しかしながら、新型コロナウイルスによる感染症の影響により、すべての計画が延期されている状況である。運動プログラムの動画配信や生活習慣チェックリストなどを住民に配布しているものの、計画の遅れが見込まれる。感染症の影響は長期化する可能性があるため、非対面でのプログラムやコンテンツ作成も並行して進めたい。
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