研究課題/領域番号 |
19H03926
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (00259194)
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研究分担者 |
片山 由加里 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10290222)
土肥 美子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (10632747)
根岸 まゆみ 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (40816352)
北島 洋子 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (90582875)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床学習環境 / 臨床判断 / ルーブリック / 看護学習者 / 支援プログラム / 教育指導者 / 人材育成 / 国際情報交換(アメリカ合衆国) |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護学習者の臨床判断の能力開発に活用できるようにラサター臨床判断ルーブリック(Lasater Clinical Judgment Rubric, 以下LCJR)日本語版の妥当性を検討し、臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムを開発することである。 LCJR日本語版について、看護系大学の4年次生7名が実施したシミュレーションに対する観察者(臨床経験5年以上) 4名の評価および学生の自己評価を分析した結果、LCJRの11ディメンションの重み付きカッパー係数による評者間信頼性は、観察者間では.142~.330、学生と観察者間では-.222~.667であった。LCJR日本語版の活用に関する質的分析では、学生から≪利点≫≪使用上の課題≫≪効果的な活用≫、観察者から≪利点≫≪使用に伴う留意点≫≪評価への影響因子≫が見出された。臨床判断能力の開発への効果的な活用では、学生と観察者に共通して【学習支援ツールとしての活用】【ポジティブ・レインフォースメントの実施】が抽出された。 臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援のニーズ調査は、回収数569名(50.0%)、有効回答数541名(47.6%)であった。分析の結果、教育指導者が指導した看護学習者の臨床判断能力の評価は、LCJRに沿った構成概念と内的整合性が確認され、新人看護師が看護学生より高いことが示された。教育指導者の看護学習者への学習支援は、看護学生より新人看護師に多く行われ、教育指導者の背景による違いが明らかになった。教育指導者の職場学習風土とソーシャルサポートが目標志向性を介して経験学習に影響を与えることが確認された。今後、調査結果に対し、更に分析、検討を進める。 教育指導者を対象とする臨床学習環境づくり支援プログラムを構成し、研究者間でプログラムの方針、内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5年間の研究期間において、以下の5点: 1)本邦における看護学習者の臨床判断の評価基準という観点から、LCJR日本語版の妥当性の検討、2)看護学生や新人看護師における臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援への教育指導者のニーズ分析、3)グローカルな視座から看護学習者の臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムの構成、4)プログラムの方針の決定と計画(Plan)、実施・運用(Do)、点検・是正(Check)、見直し(Action)のPDCAサイクルの検討、5)教育指導者を対象にLCJR日本語版を教材に用いたプログラムの実施と評価を行うことを目指している。 2021年度は、LCJR日本語版の妥当性の分析を行い、研究結果を海外の共同研究者を含めて検討し、学会発表を行った。教育指導者を対象とする臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援のニーズ調査の分析を進め、研究結果の一部を学会で発表した。また、教育指導者を対象とする臨床学習環境づくり支援プログラムを構成し、プログラムの方針、内容の検討を行い、所属機関の研究倫理委員会の審査で承認を受けた。本研究の概要を紹介するホームページを更新した (URL:http://www.nursing.osakafu-u.ac.jp/~hosoday/19h03926/)。 本研究は当初の計画に従い、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を達成するため、以下の推進方策を実施する。本研究の成果を国内外の学会発表および専門誌への投稿、講演、教育活動を通して広く周知し、ホームページを用いて社会に向けて公表する。本研究のプロセスでは、随時、国内外の看護教育学を専門とする研究協力者より支援を得ることとする。 1. 看護学生が実施したシミュレーションを対象にLCJR日本語版の妥当性および臨床判断のアセスメントツールとして活用可能性を検討する。2022年度は、観察者と学生によるLCJR日本語版を用いたシミュレーションの評価データとインタビューデータの分析の結果を学会発表および専門誌へ投稿を行う。 2. 看護学生や新人看護師における臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援に関する教育指導者のニーズを検討する。2022年度は、臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援のニーズ調査に対し、更に分析、検討を進め、学会発表および専門誌へ投稿を行う。 3. LCJR日本語版の妥当性と教育指導者のニーズ調査の結果にもとづき、グローカルな視座から看護学習者の臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムを開発する。2022年度は、教育指導者を対象とする臨床学習環境づくり支援プログラムの方針および検討した内容をもとに、教育指導者に向けた臨床学習環境づくり支援プログラムを実施する。
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