研究課題/領域番号 |
19H03928
|
研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 教授 (20509525)
|
研究分担者 |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
神崎 初美 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (80295774)
本江 朝美 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (80300060)
井上 洋士 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 主任研究員 (60375623)
竹内 朋子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70636167)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 健康生成論 / 首尾一貫感覚 / 看護職場 / 関節リウマチ / HIV陽性者 |
研究実績の概要 |
本研究は①看護職・看護医療系学生における健康生成論とSOCの実態とその機能および形成要因について、②患者・障がい者におけるSOCの実態とその機能および形成要因について、③ケア・看護に関わるSOCと生体機能との関係性について、④①~③の結果の統合を通じた看護実践につながるケアモデルの構築の試み、以上の目的で実施した。 ①については、先行研究レビューとともに、work-SOC尺度の翻訳作業、職場レベルのSOCスケールの開発と信頼性妥当性の検討、および、看護職における感情労働とSOCとの関係について、倫理的ジレンマとSOCの関係についての調査及び分析を実施した。次年度以降において分析作業及び公表作業を行っていくために必要なデータ収集を行うことができた。②については、各方面における先行研究のレビュー作業とともに、HIV陽性者におけるSOCとストレス関連成長に関する調査とデータ分析、精神疾患患者における治療への適応とQOLに関する健康生成論的研究、関節リウマチ患者における適応と健康生成についての調査計画の立案、を実施した。いずれの調査も順調に進めることができた。③については妊婦における心拍変動解析による自律神経活性とSOCおよびストレス状態との関連に関する調査の計画及び実施した。予定通り調査実施を行いデータ収集を行うことができた。一般成人を対象としたタッチングを通じた生理的反応とSOCとの関係に関する実験計画の立案を行った。タッチングを伴う介入であることから次年度以降の実施可能性についてCOVID-19の状況により柔軟に対応していくこととした。④については、研究者メンバー全員が会し研究経過報告とディスカッションを行う会議を全5回実施し、サブグループにおけるオンライン会議を隔月で設けた。これらのディスカッション内容をデータとし整理作業を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はレビュー作業及び研究計画立案作業が中心であったために、おおむね順調に進めることができた。特にすでに調査計画が進んでいたグループ(感情労働とSOC、倫理的ジレンマとSOC、心拍変動解析による自律神経活性とSOCとの関係)については、予定よりも早く進め、データ収集まで進めることができ、さらなる調査実施の計画立案作業まで進めることができた。一方で、職場SOCに関しては、看護師群の調査は年度内に終えることができたが対照群の調査実施が遅延し繰り越しによる調査実施を余儀なくされた。このように各研究グループで進捗状況は様々であったが総じて概ね順調と評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の狙いである①看護職・看護医療系学生における健康生成論とSOCの実態とその機能および形成要因について、②患者・障がい者におけるSOCの実態とその機能および形成要因について、③ケア・看護に関わるSOCと生体機能との関係性について、④①~③の結果の統合を通じた看護実践につながるケアモデルの構築の試み、のそれぞれについて述べていく。 ①については、データの収集が概ね終了しておりデータ整理と分析作業を行っていくことが期待される。②については個別研究計画立案が終了していることから、各調査研究について、研究倫理委員会の承認を得たうえで実査・実験を遂行する。③については、心拍変動解析結果についてはデータが入手できたため分析作業を進めていく。一方でタッチング実験については研究倫理委員会の承認を経て実施につなげていく。④についても当初予定通り定期研究会を開催しディスカッションを通じてモデルの探索を行っていく。
|