研究課題/領域番号 |
19H03938
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 教授 (80459247)
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研究分担者 |
浜本 康夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10513921)
小松 浩子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん薬物療法 / 高齢者 / がん / フレイル / 食生活 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん薬物療法を受ける高齢がん患者のフレイルの進行を予防するためのハーモニーケアモデルを開発し、実用性の検証を行うことである。2020年度は、1. 2019年度より継続している質的研究「がん治療を受けるフレイルな高齢者の食生活に関する支障とニーズ」を遂行、および2. 質的研究の結果に基づき量的研究を計画、実施することであった。 1. 質的研究:がん治療を受けているフレイルな高齢者の食生活に関する支障とニーズ 新型コロナウイルス感染症の影響で中断されていた質的研究を再開し、消化器がんを診断され、がん治療を受けている/受けた70歳以上の高齢者で脆弱な状態にあると判断した者、25名に半構造的面接を行い、がん治療を受けているフレイルな高齢がん患者が日常生活の中で食事や栄養に関してどのような困難や課題があるのか、またどのようなニーズがあるのかについてデータを収集した。データはThematic analysisを用いて、3つのテーマを見出した。がんの病状や治療の影響で食生活に様々な影響を受けながらも自分自身の価値に基づき、食への楽しみを見出しているなどの体験が示された。結果については、国際誌に投稿し、現在査読中である。 2.がん治療を受ける高齢がん患者のフレイルと食生活に関する縦断観察研究 2020年度も新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言発令により研究の中断を繰り返したため質的研究の進行がやや遅れたが、1.の質的研究結果と文献レビューの結果に基づき、縦断観察研究の計画の検討および倫理審査委員会の審査申請の準備を進めた。2021年度に倫理審査と承認後調査を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度も新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言発令により高齢がん患者への感染予防のためデータ収集の中断を繰り返したため質的研究が遅れた。一方、できる限り、データ収集を行える時期を逃さず収集したことで、年度内に質的研究を終了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在も新型コロナウイルス感染症の収束は見込めないため、対応策としては、研究計画や倫理審査の準備を進め、調査可能となった場合に即実施できるような備えを行う。
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