研究課題
看護班による経過観察(オープンコホート)は、37名が対象(死亡1、脱落1、生存35)で累計94例となった。本年度の生存対象者は、罹病期間平均10.1年、人工呼吸期間平均7.46年であった。このコホートについての体重推移を解析し、気管切開後の体重増加は、気管切開前の体重減少、意思伝達ステージの進行が要因であることを見い出し、病態との関連が示唆された。脳機能班では、ステージ進行期のALS患者を対象としたBMI機器の適応について試用を継続した。左右のターゲットへの集中で操作を行うゲームについて、安定した本人操作が概ね可能であったが、操作精度がばらつく時期もあり、対象の眠気等の影響が示唆された。さらに、SSVEPや嚥下時脳波に関する基礎的検討も行った。神経画像では頭部MRIによる検討を継続し、ステージVに進む症例すなわち完全閉じ込め状態を呈するALSでは、中脳被蓋のほか、海馬、乳頭体も萎縮することを示した。中脳被蓋の萎縮に伴い、海馬、乳頭体も萎縮することから経シナプス性の変性の可能性もあるが、相関は強くはないことから、海馬、乳頭体の萎縮は直接病態に関係した変性である可能性がある。神経生理では、脛骨神経刺激体性感覚誘発電位(SEP)のP38の振幅を検討した。ALSでは正中神経SEPのN20と同様にP38も増大する傾向があったが,生命予後との関連は明らかではなかった。これは脛骨神経SEP記録のテクニカルな問題による可能性があり,今後記録方法を修正して再検討する必要がある。神経病理では、TDP-43陽性細胞質内封入体について連続剖検例の臨床経過による違いを検討した。急速進行(1年以内に人工呼吸開始)群は大部分が西平分類type2 であり、脳幹網様体、下オリーブ核、黒質にpTDP-43陽性細胞質内封入体(NCI)がみられたが、緩徐進行群のNCIは全例運動ニューロンに限局していた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 4件、 招待講演 10件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Metabolites
巻: 12(2) ページ: 191
10.3390/metabo12020191
難病と在宅ケア
巻: 27(10) ページ: 56-59
Neurosci Res
巻: 177 ページ: 111-117
10.1016/j.neures.2021.11.003
Acta Neurologica Belgica
巻: 122 ページ: 471-478
10.1007/s13760-021-01801-3
Aging Clin Exp Res
巻: 34(2) ページ: 341-347
10.1007/s40520-021-01935-7.
Lab Invest
巻: 102 ページ: 126‐133
10.1038/s41374-021-00667-6
Internal Medicine,
巻: 61(4) ページ: 547‐552
10.2169/internalmedicine.7767-21
Frontiers in Behavioral Neuroscience
巻: 16 ページ: 798375
10.3389/fnbeh.2022.798375
日本難病看護学会誌
巻: 26(2) ページ: 174-184
日本難病医療ネットワーク学会学会誌
巻: 8(2) ページ: 42-50.
神経治療
巻: 38(4) ページ: 607-610
Clinical Neurophysiology
巻: 132 ページ: 2003-2011
10.1016/j.clinph.2021.05.023.
臨床神経
巻: 61(6) ページ: 361-367
臨床神経生理学
巻: 49(3) ページ: 131-138
日本神経摂食嚥下・栄養学会誌
巻: 1(2) ページ: 7-13.
Internal Medicine
巻: 60(12) ページ: 1941-1947.
10.2169/internalmedicine.6461-20
巻: 25(3) ページ: 236-239
Frontiers in Human Neuroscience
巻: 15 ページ: 643454
10.3389/fnhum.2021.643454
https://nambyocare.jp/