研究課題/領域番号 |
19H03941
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上別府 圭子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70337856)
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研究分担者 |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00332601)
宮本 有紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10292616)
佐藤 伊織 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20622252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | family / health quality / outcome research / diversity |
研究実績の概要 |
全体会議で目標を確認した後、5課題班に分かれてそれぞれの研究チームを編成した。2019年度には、先ず課題ごとに文献レビューを行ったうえで、家族自身が考える(感じる)家族の健康(生活の質)とは何かについて探求した。 目的1) 現代日本のあらゆる家族に共通するヘルスクオリティ指標を作成する。副次的な目的として、様々な家族におけるヘルスクオリティ指標を作成する。 目的2) 家族メンバーの各自から得たヘルスクオリティ指標の、統合解析・提示法を提案する。 [課題1]家族形成期の中でも、出産前後の夫婦それぞれの心身の変化、親役割獲得の夫婦間の差、それらによって生まれる夫婦関係の変化に着目し、夫婦間コミュニケーションや養育態度に焦点を当てた文献検討を行い、文化の影響について専門家のコンサルテーションを受けた。[課題2]「最も弱い者」の例として、新生児・重症心身障害児・認知症高齢者をとりあげることとし、特に意思決定場面での家族の体験に焦点を当てた文献研究を開始した。検索式を決定し、343件の文献を抽出した。[課題3]小児慢性疾患患者の家族におけるヘルスクオリティとして自立/自律に着目した。まず文献レビューを通して概念・指標を概観し、次に自立/自律を促進する家族の特徴を検討するために、小児慢性疾患患者の親にインタビュー調査を行い分析中である。[課題4]精神健康の困難の経験を有する人、経験を有する家族がいる人、研究者でチームを編成し、精神健康と家族のヘルスクオリティについて検討している。精神障がいを有する人の手記を収集し、その中の家族に関する記述を分析中である。[課題5]パートナーから暴力(IPV)を受けたサバイバーが新たに創造した家族のヘルスクオリティに着目し、主要概念を検討している。IPVサバイバーの手記やインタビューデータを基に、IPVサバイバーの独自の家族観と意味付けを抽出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
助成金額が予算の約7割だったため、対象をいったん4課題に削減したものの、必要性から5課題に戻して取り組むこととした。各課題班の準備は進み、さまざまな方法で概念整理を行った。しかし、領域別ヘルスクオリティ指標の作成に予想以上の時間を有し、中核指標作成には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、新型コロナウィルスの世界的蔓延の影響を受け、研究班の打ち合わせ、フィールド調査、対象者へのインタビューなどの実施が困難な状況が継続している。オンラインをミーティングのみならずインタビューにも有効活用するなど、研究方法の見直しも視野に入れて対応する。
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