小児緩和ケアの対象となる子どものQOL向上に向けた看護師教育プログラムの開発

2021 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 19H03942
• 研究機関: 三重大学
• 研究代表者: 松岡 真里 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30282461)
• 研究分担者: 有田 直子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (70294238) ; 名古屋 祐子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (00631087) ; 古橋 知子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (30295761) ; 川合 弘恭 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 助教 (10786156) ; 田村 恵子 京都大学, 医学研究科, 教授 (30730197) ; 奈良間 美保 京都橘大学, 看護学部, 教授 (40207923) ; 笹月 桃子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (40809125) ; 岡崎 伸 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (40586161) ; 石浦 光世 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40846424) ; 平田 美佳 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40285325)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 小児緩和ケア / 看護師教育プログラム

研究実績の概要

本研究の目的は小児がんに限らず、神経・筋疾患など小児緩和ケアの対象となる子どもおよび家族のよりよい生活・人生、すなわちQOLの向上に貢献することを目指し、小児緩和ケアの対象となる子ども、家族に関わる看護師を対象とした小児緩和ケア看護師教育プログラムを開発すること、看護師の小児緩和ケアの実践をとらえるための調査用紙を開発することである。
2021年度は、これまでに開発した日本版小児緩和ケア看護師教育プログラム(End-of-Life Nursing Education Consortium-Japanese Pediatric Palliative Care; ELNEC-JPPC)をもちいて、小児看護および小児緩和ケア経験年数2から5年の看護師を対象としたパイロット版の研修会を開催した。本来、研修会は対面開催を想定した教育プログラムであるが、COVID-19感染拡大への懸念から、オンラインで開催することとした。オンライン開催に向け、講義方法を分担者および共同研究者で練習を重ね、可能な限り双方向となるよう講義方法を検討した。便宜的にサンプリングを実施し、参加人数を30名程度と限定して研修会を実施した。研修参加者には、研修会参加前後に小児緩和ケアの実践に関する調査と9つあるモジュール一つ一つに対して内容評価を依頼した。調査の結果、2から5年目の看護師は、臨死期のケアの経験や死にまつわる子どもや家族との対話の機会が少ないこと、ロールプレイを含めたコミュニケーションに関するプログラムへの評価が高い反面、講義が中心となるモジュールではやや冗長ととらえていることなど明らかとなった。内容評価結果を基に、プログラムの順番や時間配分、進行方法およびweb開催上の工夫を検討し、日本版小児緩和ケア看護師教育プログラム最終版を作成した。
また、2020年度に実施した全国調査の結果を分析し、小児緩和ケアの実践の程度を測定する尺度開発を行い、投稿に向けた準備を行った。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

開発中のプログラムは、本来対面での開催を想定した内容となっており、COVID-19感染拡大の影響で、研修会の開催計画が遅れている。そのため、プログラム内容の評価が実施できず、プログラムの完成まで時間を要している。

今後の研究の推進方策

オンラインでの開催に切り替え、プログラムの実施方法等の研修を行う。対象者を限定したプログラムの開催および内容評価を実施し、その結果を基とにプログラム内容の洗練を行い、2023年3月末のプログラム完成を目指すよう、計画修正を行う。

研究成果

• [学会発表] Nursing practice for children in need of pediatric palliative care and end-of-life care in Japan: A nation-wide survey (2021)
  • 著者名/発表者名: Nagoya Y, Matsuoka M, Takenouchi N, Hirata M, Arita N, Kawakatsu K, Furuhashi T, Ishiura M, Nakatani F
  • 学会等名: 14th Asia Pacific Hospice Conference