研究実績の概要 |
研究参加してくださった施設が22施設であり、データの取り直しは難しい状況であった。そのため、統計の専門家にコンサルテーションを受けながら分析を進めた。問題のあった尺度に関しては、以下のような分析結果となった。 尺度のそれぞれ5つの因子について、学習方法(被験者間要因、冊子群・e-learning群の2水準)と測定時期(被験者内要因、事前・事後・3カ月後の3水準)による2要因分散分析(混合要因)を行った。 第1因子「文化的コンピテンスに対する意識・感受性」では、分散分析の結果、測定時期の主効果(F(2,250)= 34.8, p <.01)、学習方法の主効果(F(1,125)= 4.2, p <.01)、測定時期と学習方法の交互作用が有意であった(F(2,250)= 3.4, p <.05)。交互作用が有意であったことから単純主効果の検定を行った。その結果、測定時期が事後の水準において、e-learning群は冊子群よりも有意に高いことが示された。第2因子「文化的コンピテンスに関する医療提供者の行動」では、測定時期の主効果が有意であった(F(2,250)= 19.4, p <.01)。多重比較を行ったところ、事前に比べて事後が有意に高く、また事前と比べて3ヶ月後が有意に高いことが示された。第3因子「患者中心のコミュニケーション」、第4因子「実践志向」の結果はいずれの主効果、交互作用も有意ではなかった。第5因子「文化的コンピテンスの自己評価」では、測定時期の主効果が有意であった(F(2,250)= 9.2, p <.01)。多重比較を行ったところ、事前に比べて事後が有意に高く、また事前と比べて3ヶ月後が有意に高いことが示された。 また、問題あったのは第1因子であったが、元の尺度では第1因子は11項目であるが今回は10項目の結果のみを提示することとし、「アンケート実施時にWEB回答画面で選択肢表示に関する不備が発生し、正確な回答が得られなかったため集計・分析対象から除いた」と結果の表に付記することとした。
|