研究課題/領域番号 |
19H03957
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
石垣 陽 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任准教授 (50723350)
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研究分担者 |
田中 健次 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (60197415)
江藤 和子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員研究員 (90461847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | PM2.5 / 行動変容 / 健康影響評価 / 途上国支援 / ゲーミフィケーション |
研究実績の概要 |
本研究では東アフリカの農村地域において、調理用の薪ストーブに起因した母子の高濃度PM2.5曝露が起きている点に着目し、 (a)学校保健活動を通じたリスクアウェアネス(1次予防)、(b)スマホセンサでの可視化による親子のリスク対話(2次予防)、 (c)コミュニティ活動としての住環境改修とその成果のWebでの共有(介入)、(d)センサによる長期経過観察(3次予防)までを実証する。地域看護と情報工学の新しい融合により、途上国におけるヘルスプロモーション実施のための方法論構築を目指す。 具体的には、リスクの度合いを現地の文化風習に合わせたインフォグラフィックで図示するスマホアプリを試作し、測定データを分析するWebサイトを構築する。さらに地域看護の専門家と共にATS呼吸器症状質問票により基礎データを収集し、それを元に改善のため指導カリキュラムを試作し、現地学校でプレ実験を行い改善する。実験では温熱環境、構造、意匠の専門家と共に改良型のかまどストーブを実証する。さらに地域毎の家屋調査や、熱流体解析(CFD)により改善策の定量評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルワンダの農村部を実証地域として、(a)学校保健活動を通じたPM2.5のリスクアウェアネス(1次予防)、(b)スマホセンサでの可視化による親子のリスク対話(2次予防)、 (c) コミュニティ活動としての住環境改修とその成果のWebでの共有(介入)、(d)センサによる長期経過観察(3次予防)を行い、新しいヘルスプロモーション手法の有効性を検証する。 今年度は、昨年度のフィールドワーク結果と、収集したATS呼吸器症状質問票による基礎データを元に分析を行い、現地で求められる改善策としてかまどストーブの制作を実証した。実際に現地でのプレ実証を行い、PM2.5の濃度が低下することを確認できた。 制作においては途上国における「かまど」作りの専門家の意見を聞きながら、現地の材料・環境に適した「かまど」を設計した。また温熱環境と構造意匠については建築の専門家の意見・協力も得た。使用した材料は、現地の藁や土で作る日干煉瓦と石、木である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度のかまどづくりの制作家庭は映像や写真として記録し、インターネットでも発信した。 今後は、収集された基礎データと共に、かまどづくりを啓蒙するコンテンツを制作し、それを地域住民に閲覧してもらった上で、行動変容への影響を調査する予定である。 さらに、学校等や幼稚園の教育現場での1次予防・家庭での2次予防、高曝露群への介入と効果検証、フォローアップによる3次予防までを行う。 今年度の成果により、予防に向けた向けたフィージビリティの確認と、基礎データ収集を行うことができた。
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