研究課題/領域番号 |
19H03959
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 ゆかり 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00306846)
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研究分担者 |
佐々木 周作 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (20814586)
福間 真悟 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60706703)
辰巳 明久 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (90295634)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 介護予防 / IoT / 行動経済 / ビジュアルコミュニケーションデザイン / ナッジ |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、ビーコンを持ち歩く高齢者コミュニティを維持するための定期レポート・研究報告の作成・返却のほか、主に以下の4点を行った。 1)ビーコン交換と参加者の整理:プロジェクトは2018年に開始し、本年度は開始当初に購入したビーコンカードの電池寿命(4年)を目前に控えることとなった、ビーコンの全面交換を実施した。交換時のデータ損失を可能な限り防ぐため、事前の広報により現地での対面交換を精力的に行った。対面交換できなかった参加者30名程に対しては、新ビーコンと旧ビーコンのログから交換時期を判断した。同時に1年以上にわたりビーコン検知の記録がない参加者はこの時点で「みなし終了」扱いとした結果、年度当初106名であった参加者は、年度中の死亡者3名、要介護状態移行等による脱落が7名、みなし終了が7名となり計17名がプロジェクトから脱落となったが、新規参加が7名あったため、年度末は96名の参加者となり、ビーコンの稼働は80%程度から95%以上に向上した(2021年12月)。 2)タブレットの交換とNFCの導入:タブレットの不具合の解消と、複数利用者がいる場合のビーコン近接検知の精度向上のためWindowsタブレットへの交換とNFCの導入を行った(2022年2月)。 3)ナッジの効果検証の実施:行動経済学の分担研究者と協力し、行動経済学のナッジ理論を取り入れたメッセージを、参加者への定期レポートとタブレットのトークフローを活用して提供し、行動変容効果を無作為化比較対照試験によって検証した(2121年7月から半年間)。結果を集約し、効果検証論文を作成中である。 4)タブレット利用高齢者の特性を検証するため、主観的健康観およびビーコンから取得できる生活活動データや施設内のデータを活用した分析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度実施したタブレットの改善により、利用の安定化がみられたため、追加の研究課題を実施することができた
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今後の研究の推進方策 |
近年のスマホ利用者の増加を踏まえ、スマホと連動したウェアラブルデバイスの活用可能性を予備的に検証する。また、来年度は本研究の最終年度であり、本研究の目的である技術を高齢者の健康増進に活用する、ために必要となった膨大な人的資源や他分野の知見の必要性について総括を行うことで、さらなる研究の必要性にむけた検討を行う。
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