研究課題/領域番号 |
19H03961
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 玲子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60269850)
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研究分担者 |
小出 恵子 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (40550215)
武村 真治 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (50280756)
長野 扶佐美 福山平成大学, 看護学部, 准教授 (70805689)
蔭山 正子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80646464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 政策移転 / 実装科学 / 保健師 / モデル開発 / 研究成果活用 / Ebidence-Based Policy Making / 先進優良事例の横展開 / 地域保健 |
研究実績の概要 |
健康は社会経済的・政治的・環境的な要因、即ち健康の社会的決定要因に影響を受けるため、WHOの指針は「すべての政策で健康を(2010)」と焦点が政策にシフトしている。本研究の目的は、地域の人々の健康増進および公衆衛生の向上に資する自治体の活動が、研究成果や実践知をエビデンスとして、効果的・効率的、かつ包括的に展開されるよう、政策移転モデルを構築し、それを国内外に浸透させる活用推進プラットフォームを開発することである。特に政策移転の適時性と適合性の判断基準、及び展開過程で求められる技術の明確化と習得方策を、現場の実態に基づいて検討することを重視する。 1年目は実態と改善の方向性を明確にする調査、2年目は調査結果に基づいた政策移転モデルの構築、3年目はモデルの理解と技術習得を可能にする活用推進プラットフォームの開発、4年目は政策移転モデルと活用推進プラットフォームの普及を目指す。 1年目の2019年度は、1)文献レビューより国内外の先駆的活動の収集と適否判断項目の検討、および2)その項目について、重要度と実施度等を問う全国調査を行った。 1)の結果、米国を中心に10年かけて開発・発展を遂げてきた実装研究統合枠組み(Consolidated Framework for Implementation Research;CFIR)が最も有用と判断し、それを日本版にカスタマイズした指標案を共同研究者と協議を繰り返し作成した。また、国内では総務省や全国知事会が推奨する先進優良事例の横展開の取り組みから、実態や関連要因を問う質問項目を作成した。2)1)で作成した項目について、重要度の認識や実際の実施の程度等を問う全国調査を行った(有効回答約700件、入力と単純集計まで行った)。2年目はその分析から始める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していた文献レビューと、それに基づく協議から質問紙を作成し、全国調査を実施し、入力と単純集計まで終えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、調査結果に基づいて、3)政策移転モデル試案を作成、および4)モデル展開に必要な技術習得プログラムと教材、活用ガイドラインの検討を行う。2021年度は、モデル展開と技術習得に向けた5)活用推進プラットフォームの試用版を開発し、6)試用調査の実施・評価を行う。2022年度は、7)試用調査結果に基づく政策移転モデルと活用推進プラットフォームの改良と運用開始・普及方策の検討、8)研究全体のまとめ、普及方策の展開を予定している。 2020年度 研究実施計画: 【目的】調査結果の分析・考察より、政策移転モデル試案を作成する。加えてモデル展開に必要な技術の明確化と、習得プログラム・教材・活用ガイドラインの検討を行う。 【研究方法】研究分担者・研究協力者による検討、関連学会等のワークショップ等による意見交換、それを受けての修正、内容妥当性の検討を行う。政策移転モデルの各フェーズ、エビデンスを「つくる(創出)」・「つたえる(伝達)」・「つかう(活用)」毎に、実施の有無、重要度、困難度と促進・阻害要因等の検討結果を活かして考案する。
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