研究課題/領域番号 |
19H03978
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
牧迫 飛雄馬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70510303)
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研究分担者 |
大石 充 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
窪薗 琢郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00598013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨格筋 / サルコペニア / アクチニン / 高齢者 / 筋力 |
研究実績の概要 |
2019年度は、縦断解析の基礎となるベースラインデータ基盤整備のため、地域コホート調査を行った。40歳以上の地域住民の1024名の同意とデータの取得が行われ、そのうちで65歳以上の高齢者は687名(平均年齢74.5歳、女性434名)であった。これらの対象者に対して、基本情報のデータ収集に加えて、身体機能(握力、立ち上がり、歩行速度など)、身体組成(四肢骨格筋量、体脂肪率など)、その他の健康関連指標(転倒歴、認知機能、要介護認定状況など)に関するデータを取得した。倫理審査委員会の承認が得られた運動教室の参加者については、αアクチニン(ACTN)3の遺伝子型(口腔粘膜法)の検査を開始し、高齢者75名分のデータを取得した。ACTN3のデータを取得した75名については、MR(磁気共鳴)画像による大腿部の筋容量および横断面積の計測を行った。大腿部の筋容量および横断面積については、1名ごとの画像チェックを行い、筋容量および横断面積としての数値化への変換作業を完了した。ACTN3遺伝子多型と骨格筋との関連やサルコペニアおよびフレイルの危険因子としての可能性を今後に分析する。また、将来のアウトカム指標となる要支援・要介護の新規発生および悪化・改善の縦断的なデータの取得・管理体制について、行政と連携してシステム構築の準備に取り掛かった。2020年度以降も身体機能や身体組成の縦断的な変化を調べるための地域コホート調査を予定しており、その実施に向けた協議を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象地域コホートの40歳以上の地域住民1024名に対して、基本情報のデータ収集、身体機能(握力、立ち上がり、歩行速度など)、身体組成(四肢骨格筋量、体脂肪率など)、その他の健康関連指標(転倒歴、認知機能、要介護認定状況など)に関するデータを取得した。それらの分析により、サルコペニアの有無、フレイルの有無などの判定が可能となる。データを取得した65歳以上のうち、75名についてはACTN3遺伝子多型の評価も行った。概ね計画通りに進捗できている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度も対象地域コホートにおける地域住民の縦断的な健康チェックによるデータの収集を予定している。実施に向けて、自治体との協議も定期的に重ねており、具体的な日程調整も完了している。今後も自治体との協働で円滑に進められるように連携を強化して、研究の推進を図る。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の予防対策として、これまで以上に研究の実施方法にも十分な配慮が必要な状況となっている。特に高齢者が対象であり、感染のリスクも大きいため、対象者の安全を最優先に自治体と綿密に連携をとりつつ、研究の実施を慎重に行っていく。ACTN3遺伝子多型に関するデータ取得の対象者数拡大のための倫理申請も進めている。
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